サラリーマンが不動産業者から投資用不動産物件を紹介してもらうと、スルガ銀行の融資がセットになっている物件が数多くあることに気付くことだろう。スルガ銀行は金利が3.5%~4.5%と高く、購入する立場からすれば避けたいところである。
ここではなぜ不動産業者がスルガ銀行を好んで利用するのかについて紹介していきたいと思う。
目次
スルガ銀行は融資審査スピードが速く、融資可能エリアが日本全国。不動産業者から好まれる理由・融資がセットの案件の背景。
不動産業者がスルガ銀行を好む理由の1つに、融資審査のスピードが速いことあげられる。不動産業者は既に不動産所有者と売買契約を締結しているか、物件を購入していることがほとんどで、資金を効率的に使うためになるべく早く不動産を売却したいと考えている。スルガ銀行は融資審査のスピードが他行と比べ物にならないほど速く、そのような不動産業者のニーズにマッチしている。
スルガ銀行の支店は本店がある静岡県と、神奈川県や東京都などの首都圏に多くある。一般的な銀行は支店のあるエリアの不動産物件にしか融資を行わないが、スルガ銀行は日本全国を融資可能エリアとしている珍しい銀行となっている。最近の不動産価格の高騰によって、首都圏では利回りの高い物件が少なくなり、不動産業者は地方の高利回り物件を買付して販売することが多くなった。
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スルガ銀行は耐用年数を超えた期間での融資を実行。最大で30年間築60年まで。不動産業者から好まれる理由・融資がセットの案件の背景。
不動産投資でキャッシュフローを出そうとした場合、利回りの高さも重要であるものの、銀行融資の融資期間も重要となってくる。多くの金融機関は耐用年数期間内でしか融資しないのに対して、スルガ銀行は独自の基準を設けて耐用年数を超えて融資を行っている。融資期間が長くなれば、キャッシュフローが出やすく、不動産業者はサラリーマン投資家に対して魅力的な物件であるように見せることが可能となる。
スルガ銀行はRC・SRCや重量鉄骨造の物件対して、最大で30年間築60年までの融資を実行してきた。そのため築30年の物件でも、30年間の融資を引くことができるため、キャッシュフローが良く出るように見せかけることが可能となる。
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スルガ銀行は二重契約オーバーローン、年収・資産のエビデンス書類の改ざんが容易で可能。不動産業者から好まれる理由・融資がセットの案件の背景。
最近は多くのサラリーマンがオーバーローンで不動産投資をはじめているが、その典型となっているのがスルガ銀行である。スルガ銀行は表向きには1割の頭金を要求するが、2重契約で銀行提出用の契約書の物件価格を水増しすることで、オーバーローンが可能となっている。この事実についてはスルガ銀行の行員も把握していることが多く、オーバーローン融資の実行がスムーズに行われる。
投資用不動産で銀行融資を組む場合には、年収や資産などを証明する書類を銀行に対して提出する必要がある。通常は通帳の原本などの提出となるが、スルガ銀行はコピーの提出も受け付けており、これらのエビデンス書類の改ざんも行われてきた。これによって通常は
銀行借入が難しいような属性・資産背景のサラリーマンが不動産投資をはじめることができ、不動産業者は多くの物件の販売が可能となっている。
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【スルガ銀行が不動産業者から好まれる理由】まとめ
不動産業者は基本的に、サラリーマン投資家のメリットを考えずに、自分たちのメリットからスルガ銀行を好んで活用している。オーバーローンや給与所得・資産のエビデンス改ざんによって、通常であれば不動産投資を行うことができないサラリーマンに対して販売が可能となり、不動産市場は過熱していった。
今後スルガ銀行はシェアハウス向け不正融資をきっかけに、融資姿勢がどのように変わり、不動産市場に影響を与えるか注目だ。
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