物件の構造によって賃貸付けのしやすさが変わってくることがある。その事実を知らずに物件を購入してしまうと、購入後に苦労することになってしまうので、要注意だ。
ここでは木造・鉄骨・RCのどれが賃貸付けしやすいのか、それぞれの家賃下落はどのようにしていくのかについてみていきたいと思う。
目次
木造物件は防音性に問題があり、都市部では鉄骨・RCが人気。地方では木造でも問題ないケースも。競合物件を調べよう。
木造の大きな問題点は、防音性である。首都圏の賃貸需要では、鉄骨やRCの物件供給が多いことから、防音性に問題がある木造は敬遠されることが多い。一方、地方では木造の物件の割合が多いため、木造が敬遠されることはあまりない。
このように地域によって差があるので、購入するエリアの賃貸物件の傾向についてはしっかりと調べておくことが重要となる。地方は賃料がそれほど高く取れず、木造物件が多いエリアなのであれば、固定資産税やリフォーム費用など維持費用が安い木造物件を選択した方が良いかもしれない。
競合物件の状況をしっかり調べることで、物件購入後の賃貸付けのイメージがしやすくなる。不動産仲介業者にもヒヤリングしてみると、実際の賃貸需要の話を聞くことができる。
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家賃下落率の傾向とは?木造とRCの違いは?長期保有目的であれば木造よりRCの方が有利。
不動産物件を長期的に保有する場合、建物の構造によって家賃の下落率が大きく異なるので、家賃下落を想定しながらシミュレーションすることが必要となる。
木造物件は新築から築10年くらいまでに、一般的に家賃は5%から10%程度下落する。一方でRCは築10年くらいまでは家賃の下落はあまりなく、新築プレミアムが無くなることによる下落の5%程度だろう。
築10年~20年くらいまででは、木造物件もRCもともに85%~80%くらいまで家賃は下落する。木造物件は築20年を超えると、家賃の下落幅が大きくなってくるのに対して、RCは築20年~40年くらいまで、家賃はほとんど下落しない。
長期保有を前提にするのであれば、RCの方が家賃下落率が低く有利となっている。木造物件を長期保有するのであれば、しっかりと家賃下落を想定する必要がある。
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サラリーマンが長期保有するなら木造・鉄骨・RCどれがおすすめか?賃料下落によるローン返済は?
サラリーマンが不動産投資をする場合には、銀行からのローンで購入することになると思うが、長期保有するのであればRCの方が良いだろう。木造物件を長期保有すると、家賃の下落率が大きくなってしまい、ローンの返済が難しくなってしまうことがある。
また中古の木造物件は減価償却が早く取れるというメリットがある一方で、長期保有すると減価償却が終わった後の税金負担が大きくなってしまい、長期保有でキャッシュフローを出すのが難しくなってくる。
中古の木造物件では現金比率を高めたりして、対策を取れれば問題はないが、事前にしっかりと想定せずに購入してしまうと、キャッシュフローが出ずに苦労することがあるので、注意したい。
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賃貸付けがしやすいのは木造・鉄骨・RCのどれかまとめ
建物の構造は物件購入後に変えることができないので、それぞれの特徴や地域性を考慮した上で、選択していく必要がある。
また長期保有の場合には、家賃の下落率にも大きな違いが表れるので、しっかりと想定しておくようにしよう。サラリーマンが長期保有するのであれば、家賃下落によって銀行返済に問題がでないかもしっかり考えておく必要がある。
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