不動産投資は金額が大きく、流動性が低いことから、REITに投資をしようと考えている人もいることだろう。
ここでは不動産投資の代わりにREITを購入するのはおすすめかどうかについてみていきたいと思う。
目次
REITは不動産市況よりも株式市場の値動きに影響を受けやすい。不動産投資と同じようなパフォーマンスになるとは限らない。
REITは不動産を取り扱ってはいるものの、価格や利回りは不動産市況よりも株式市場の値動きに大きく影響を受けやすい。したがって、東京都の不動産を取り扱っているREITだからといって、東京の現物不動産を購入するのと同じパフォーマンスになることにはならないので、注意が必要だ。
そのため、REITを購入するであれば、不動産投資という位置づけよりも、株式投資と考えて投資した方が良いだろう。もちろん不動産を扱っているため、不動産の知識や経験があったほうが多少有利ではあるが、REITが扱っている不動産は商業施設やオフィスビルが中心で、一般的なサラリーマンが取り扱う不動産物件とは異なる点も、しっかり理解しておく必要がある。
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REITはグループ企業内での取引が多く、利益相反となる。購入価格の妥当性が判断しにくい。
REITで取り扱っている物件の多くは、運営会社のグループ企業や親会社などから仕入れた物件が多く、物件の管理もグループ内の企業で行っていることがある。グループ企業内の取引となると、REITは安く物件を仕入れたいにも関わらず、売却する方は高く販売したいという利益相反の構図が出来上がるため、一時はREITに対する否定的な見方が強かった時期もあった。
これらの問題を避けるために、外部機関が不動産の適正価格を評価することが義務付けられてはいるが、不動産鑑定においては買い手側の予算や購入の目線などが物件の評価額に影響を与えてしまい、実質的に鑑定価格が意味をなさないような事例も存在する。
現在は不動産が高騰していた2007年と比較すると利益相反に対して厳しくなっていて利益率は下がっているものの、購入価格の妥当性については保証されているわけではない。
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REITのメリットとは?銀行借入によるレバレッジ、好条件の借入内容、東京都内一等地の不動産物件がポートフォリオに入っている。
REITは不動産投資の代わりの投資としては適していませんが、株式投資と同じように行うのであればメリットもある。REIT自体も銀行借入を行って投資しているので、レバレッジを使っていることや、銀行借入金利も個人投資家と比較すると大幅に良い条件で借入を行っている。
また個人では到底購入することができないような、東京都内の一等地物件をポートフォリオに入れていることもあり、不動産市況が回復してくれば大きな値上がり益を取ることができる可能性がある。
ただREITでは純資産よりも大きな金額の借入を行っていて、リスクが高く割高の銘柄も存在する。この点は株式投資でのPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)と同じような考え方であり、高値掴みとならないように注意が必要だ。
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【REIT(リート)】を不動産投資の代わりに購入するのはおすすめかまとめ
不動産投資の代わりにREITを購入するという投資方法はあまりおすすめできない。株式投資と同じような位置づけで投資するのであれば、面白い投資対象となるだろう。
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