不動産投資からの家賃収入が貯まってきたり、給与所得から貯金ができるようになると、余計な金利を支払うのが嫌だから、繰り上げ返済をしようか迷う人も多いと思う。
ここではサラリーマン不動産投資家が繰り上げ返済をすべきなのかについて、みていきたいと思う。
目次
不動産投資では繰り上げ返済をせずに、多くの現金を残しておいた方が有利。繰り上げ返済は不動産投資のメリットを消してしまう。
借入金利次第ということもあるが、今の低金利水準であれば繰り上げ返済をする必要はないだろう。不動産物件を購入する際には、できるだけ多くの融資を受けて自己資金を温存しようとするのに、借りた後には早く返そうとするのは矛盾している。
繰り上げ返済を進めることによってキャッシュフローが増えるというメリットがあると考える人もいると思うが、自己資金を投入して増えるキャッシュフローは、繰り上げ返済した現金があとから戻ってくるだけと考えたほうが良い。
一般的な不動産投資家の借入金利は2%台が主流であり、世界的に見ても低金利で、メリットが高い融資契約である。不動産投資の最大のメリットは銀行借入でレバレッジを効かせて、少ない自己資金で大きなリターンを得られることです。
繰り上げ返済で自己資金を使ってしまうと、不動産投資最大のメリットを自ら消しに行っているようなものであり、資金の運用効率を悪化させることになってしまうのである。
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不動産投資で規模拡大するのであれば、現金を多く残しておいた方が追加で融資を組みやすくなる。
もし何らかの臨時収入があって、まとまった現金が入ってきた場合でも、繰り上げ返済する必要はない。その現金を残しておくコストというのは、借入金利である2%程度となる。ほとんど利息が付かない銀行預金金利と比較すると、非常に高く感じると思うが、2%であれば不動産投資でも他の投資でも、金利以上のリターンを得ることは難しくない。
不動産投資であれば、その現金で追加で融資を組めば、さらにレバレッジを効かせることが可能となるので、自己資金に対するリターンはとても大きくなる。新規で不動産向けの融資を申し込む際には、自己資金が多いほうが銀行からの評価が高くなり、有利になるのである。
一度繰り上げ返済してしまうと、その資金を取り戻すことはできないので、短期的な金利負担だけを見るのではなく、長期的な進展で考えるのが重要である。
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繰り上げ返済をせずに現金を残しておいた方が、経営の安定度が増す。金利が上昇した際には繰り上げ返済を検討すればよい。
不動産投資では手元に多くの現金を残しておいた方が、規模を拡大するにも有利だし、不測の事態にもさまざまなことに対応することが可能となり、経営の安定度が増す。大規模修繕が発生しても対応することができる。
もし金利が大きく上昇してしまったら、その時に繰り上げ返済するかを検討すればよいだろう。不動産投資の融資契約は、物件価格が下落しても自己資金の追加投入や一括での返済を求められないという、とても有利な条件の借入となっており、個人投資家が不動産投資を行うのであれば、繰り上げ返済をせずに現金を残しておくことをおすすめする。
【繰り上げ返済】はすべきかまとめ
銀行の預金金利がほぼ0という環境で育ってきた我々にとっては、金利を支払うことは無駄に思えてしまうだろうが、不動産経営で成功していくためには、多少金利を支払ってでも、現金を多く持っていく方が良い。
繰り上げ返済をせずに、貯まった現金で規模の拡大を目指すようにしよう。
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