不動産投資では売却をしてはじめて投資が完結し、儲かったのか損したのかを判断することができる。そのため事前に色々なシミュレーションをしておくことが重要であり、中でも損益分岐点を把握しておくのは、物件を売却する際には特に重要となる。
一般的に不動産投資の損益分岐点には3種類の考え方があると思う。ここでは3種類の損益分岐点についてみていきたいと思う。
目次
購入価格と同値での売却が損益分岐点という考え方。不動産物件保有中のキャッシュフローで、実際は利益が出ている。
1つ目は購入価格と同額で売却するのが損益分岐点という考え方である。この考え方を持っている人は多いが、実際には不動産物件保有期間中のキャッシュフローがあるので、購入価格と同値で売却できれば、利益が出ることになる。
物件の利回りや銀行からの借入条件次第ではあるが、一般的には5年以上物件を保有して、購入価格と同値で売却できれば、少なくとも10%前後の利益は残る形となるだろう。ただ保有期間中に増えた現金を残している場合にのみ、利益が出ていると実感できるのであって、使ってしまっている場合には、利益が出た感覚がなく、損益分岐点と考えてしまう。
⇒【不動産投資はサラリーマンに適してしるのか?株式投資・FX・仮想通貨との比較は?】
不動産物件売却したお金から銀行ローン残債返済、諸経費、税金を支払った後に手残りが0となる価格が損益分岐点という考え方。
2つ目は不動産物件を売却したお金から銀行ローンの返済、不動産仲介手数料の諸経費や、税金を支払った後の手残りが0になる価格を、損益分岐点という考え方である。不動産物件の売主は、これを損益分岐点と考える人は多い。
不動産物件に指値をすると、この金額以下だとローン残債を返せないので、という返事が返ってくるのは、この考え方に基づくからである。
こちらも実際には不動産物件保有期間中にキャッシュフローは出ているが、それを使ってしまっているか、管理ができていないために、このような考えになってしまうと思われる。
不動産購入時に投入した自己資金と同じ額が残る売却価格が損益分岐点という考え方。
最後は購入時に投入した自己資金と同じ金額が残る価格が損益分岐点という考え方。例えば購入時に自己資金を1,000万円入れたのであれば、不動産売却後に銀行ローン返済、諸経費、税金の支払い後に、銀行口座に1,000万円残っていればよいという考え方です。
不動産物件保有期間中にもキャッシュフローが出ているので、それらも合算して考えるのが本来の投資のリターンということになります。ただ不動産を5年とか10年とか保有したにもかかわらず、資金が全く増えていないというのは投資としては失敗とも考えられなくはないですが、今の低金利の日本では銀行預金でも資金は増えないので、保守的にはこの考え方でも問題ないと考えます。
⇒【不動産投資でサラリーマンを引退する方法やポイントを解説】
不動産投資の損益分岐点まとめ
不動産投資では売却時の試算をして準備をしておくことが重要となるが、損益分岐点の考え方はさまざまである。本来の考え方としては、3つ目に紹介したものになるべきと考える。どの方法を採用するのか、考えて頂きたい。
<こんな記事も読まれています>
⇒【不動産物件を高く売却する方法。専任専属媒介契約と一般媒介契約どちらが有利か?】
⇒【不動産投資セミナーに参加する際注意すべき3つのポイントとは?】
⇒【スルガ銀行シェアハウス不正問題がサラリーマンや不動産業界に与える影響とは】
⇒【サラリーマンが不動産投資で節税して所得税・住民税を還付する方法とは】
⇒【東京と地方どちらに不動産物件を購入すべきか?3つの不動産投資戦略とは?】
⇒【サラリーマンに適した不動産投資スタイルとは?不動産ファンドより有利な理由とは?】
この記事へのコメントはありません。