投資用不動産を扱っていた水戸大家さんが2018年9月末で廃業・解散することが、ホームページ上で発表された。その理由や背景は何なのだろうか?
ここでは水戸大家さんの廃業・解散の理由についてみていきたいと思う。
⇒【銀行がサラリーマン投資家に融資する際、審査・評価するポイントとは?】
目次
水戸大家さん廃業最大の理由は、銀行融資引き締めによる売上減少。
水戸大家さん廃業の主な理由は、銀行融資引き締めによって投資用不動産の売上が大幅に減少したこと。2017年後半から銀行の融資姿勢は明らかに引き締まっており、2018年に入っては、スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題で、多くの銀行がサラリーマン向けの不動産融資を一気に引き締めている状況。
昨年までは、二重契約や中間省略登記などによって、自己資金は少なくても属性が良いサラリーマンは、フルローンやオーバーローンの銀行融資を引き出すことが可能であった。また、不動産物件1つにつき、1法人を設立するスキームで、他法人での融資を隠して融資を引き出すことも可能であった。
このような方法で、多くの不動産販売業者が売り上げを伸ばしていたが、2018年に入ってからは、多くの不動産業者が水戸大家さんと同様に売上が大幅に減少し、倒産する会社が相次いでいる。
⇒【銀行融資二重契約オーバーローンについてわかりやすく解説】
水戸大家さん、売上減少で経費をカバーできない状況に。今後も融資状況変わらずに売上は回復しない見通し。
水戸大家さん廃業の主な理由は、銀行融資引き締めによって売り上げが落ちてきているとしているが、峯島社長はそれ以外にも細かい要因があるとしている。
そのうちの1つが、水戸大家さんの事務所を移転しても、現在の売上では経費をカバーすることができず、毎月赤字となってしまう可能性が高いこと。その状況では、峯島社長個人の資産を切り崩さなければならず、難しいと判断したとのことだ。
また、今後売上を伸ばしていくためには、銀行融資の状況次第となるが、状況が好転する兆しはなく、当分は今の状況が続くと判断したとのこと。
水戸大家さん従業員は売上に応じた歩合制の人が多く、不正が起きかねない状況。
水戸大家さんの従業員も、売上に応じた歩合制で給料をもらっている人が多く、今の状況では給料が下がっている点も大きいようだ。このような状況だと、従業員が不正などを働く可能性は否定できず、リスクが高い会社を経営していくのは得策ではないと判断したようだ。
従業員の中には引き続き不動産業界に残る人もいるとのことだが、このような状況では、他社も苦しい状況は変わらず、仕事を見つけていくのはとても困難になりそうだ。
水戸大家さん2018年9月末で廃業・解散まとめ
不動産投資物件を取り扱い、有名であった水戸大家さんの廃業は、現在の不動産市場がいかに厳しいかを物語っています。ただ、それがそのまま不動産価格の下落に繋がるというわけではなく、今まで異常であったサラリーマン向けの融資が通常に戻るということでしょう。
不動産価格は徐々に下落に向かいつつあるという話もありますが、引き続き優良物件に対する買い意欲は強く、ここから一気に物件価格が下落するということはなさそうです。
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