全ての地方自治体には都市計画というものがあり、「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分されていることが多い。ではこれら2つの違いとはどのように決められているのだろうか?
ここでは「市街化区域」と「市街化調整区域」の違い、サラリーマンが銀子融資を使って不動産投資を行うことが可能かについてみていきたいと思う。
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目次
「市街化区域」「市街化調整区域」とは?建物の新築や増改築、不動産投資を行うことはできるのか?
「市街化区域」とは、既に市街化されている区域、あるいは今後10年以内に市街化される区域で、整備や開発が優先される。
「市街化調整区域」は反対に市街化を行わない区域であり、原則としては住宅を建築することができない。しかしながら、多くの「市街化調整区域」でも住宅や賃貸物件が建築され、販売されている。
その理由としては、都市計画法が制定される以前から住宅や賃貸物件があったエリアでは、一定の要件を満たす建物であれば、通常の手続きを行うことで建物の新築や増改築が認められるのである。
2001年の都市計画法の改正によって、原則として建て替えはできなくなったが、多くの「市街化調整区域」では多くの住宅が建ち、多くの人が住んでいるので、地方自治体によって独自の基準をもうけて対応しているところが多い。
「市街化調整区域」での不動産投資は競合やライバルが少なくメリットが多い。
このように「市街化調整区域」であっても、地方自治体の基準に合致すれば、建物の建築を行うことが可能で、建築確認を行うこともできる。しかしながら、建物の用途や規模については、厳しい条件が付けられるケースがある点には注意が必要だ。
ただこれらの条件をクリアすることができれば、土地も割安に購入できる可能性が高く、また競合やライバルが少ないので有利に不動産賃貸経営を進めていくことが可能となる。
確認事項が多くて面倒くさいと感じる部分も多いが、多くの不動産投資家が同様の理由で敬遠するので、不動産投資としての勝機は十分にある。
⇒【不動産物件購入時の建物と土地の按分は建物を多くした方が有利か?】
「市街化調整区域」で銀行融資は可能か?路線価が無い中での積算評価額の算出方法は?
「市街化調整区域」の問題点は、銀行からの融資が引き出せるかということになる。銀行融資には積算評価が重要な審査ポイントとなり、土地の評価額は路線価に土地面積をかけることで算出している。
しかしながら「市街化調整区域」には路線価がないため、銀行融資は難しいと考える人は多いが、積算評価の土地値は固定資産税評価額から土地の評価額を計算することで、積算評価額を算出することは可能となる。
「市街化調整区域」であればどこでもよいとうわけではないが、利回りが高い物件を購入できるチャンスがあるため、検討に値するだろう。
「市街化区域」「市街化調整区域」の違いを解説まとめ
「市街化調整区域」ではさまざまな制限や手続きの煩雑さもあるため、しっかりと調べて不動産投資を行えば、優位性は高くなる。賃貸需要がしっかりとしていて、競合が少ないエリアが「市街化調整区域」であっても、諦めずに調べてみると良いだろう。
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