日本は少子高齢化が進み、多くの地方都市では人口減少がはじまっている。人口減少が続くと不動産市場は縮小傾向となり、今後は地方都市での不動産投資はますます厳しくなっていくと考える人も多いだろう。
ではなぜ多くの不動産投資家はそのような状況でも地方都市の物件を買うのだろうか?ここでは人口減少が進む地方都市で不動産投資を行う理由をみていきたいと思う。
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目次
人口減少で空室率増加が不動産投資のリスク。東南アジアなどの新興国に興味を持つ投資家も多い。
人口減少が不動産投資に与えるのは、空室率が上昇するからである。2014年の総務省の発表によると、全国には一般住宅を含めて約820万戸の空き家があり、空室率は13.5%と過去最高の水準となっている。
賃貸ではない一般住宅の数字を除外すると、地方の賃貸物件の空室率は20%を超えるとも言われている。このような状況から日本での不動産投資、特に地方投資ではリスクが高く、今後は人口増加が期待できる東南アジアなどの新興国での投資に興味を持つ人も増えてきている。
人口という観点からみれば、東南アジアでの不動産投資は理にかなっているが、東南アジアの不動産投資は日本とは違ったリスクも存在する。
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人口減少が続く地方都市で不動産投資を行う理由とは?地主が多くライバルや協業が少ない。
では、このように人口減少が続く日本の地方都市で、不動産投資を行う理由は何なのだろうか?その理由は、ライバルや競合の少なさである。地方都市は東京に比べると空室率が高いのは事実だが、空室となっている物件のほとんどが、しっかりと賃貸募集がされていないのである。
地方都市の賃貸不動産物件の多くは、土地を保有している地主が相続税対策などで建築したものが多い。そういう人たちは不動産投資家と違って、採算や収益に厳密ではなく、リフォームもせずに放置されていたりする。
地主は賃貸経営に素人ということもあり、うまく経営できずに不動産物件を手放すことも多いが、売却理由の多くは相続税対策であったり、高齢で管理ができなくなったりというものが多い。売却するまでに空室が何年間も続いているということもよくある。
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地主は賃貸条件がマーケットから逸脱したり、満室経営を目指さなかったりもする。
地方の地主は建物や空室のメンテナンスを行わず、賃貸募集の条件も家賃が相場より割高であったり、敷金・礼金をしっかりと取ったりと賃貸マーケットから逸脱した内容で募集していたりする。
また満室を目指すよりも、家賃滞納をする可能性が高い入居者、外国人、ペットなどは敬遠する傾向にあり、税金対策のための不動産賃貸経営で収益をうまずに費用を払っているという場合も多い。
サラリーマン不動産投資家からすれば、このような現状は信じにくいと思うが、地方の不動産物件では実際にこういうことが起こっている。そのため、意識の高い不動産投資家が地方都市でしっかりと賃貸経営を行っていけば、優位性を出すことが可能となる場合が多い。
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人口減少が進み空室率が高い地方都市で不動産投資を行う理由を解説まとめ
このように地主の空室の多い物件が、日本の空室率を高めているというのが実態である。そのため、エリアや賃貸需要を読み違えることがなければ、地方都市での不動産投資で収益をあげていくことが可能となる。
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