銀行融資の観点からいえば、積算評価が出やすく法定耐用年数が長いRCマンションが最も融資を受けやすい。そのため、サラリーマン不動産投資家はRCマンションを探している人が多いだろう。
しかしながら、RCマンションを購入すれば不動産投資で成功できるわけではない。物件の構造によって購入後の維持費・管理費は大きく異なってくるのである。
ここでは多くの不動産投資家が検討するであろう、RC物件とも木造物件の維持費・管理費の違いについてみていきたいと思う。
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目次
RCマンションは維持費・管理費が高額?
不動産物件はどんな構造であれ、定期的にメンテナンスを行っていく必要がある。特にRCマンションは共用部の設備が多く、エレベーターの点検費や消防点検など、RCマンション特有の費用が発生する。
エレベーターなど共用部の設備は電力を消費するため、月々の電気代が高くなり、積算評価が高いということは、固定資産税も高額になってしまう。このようにRCマンションは、長期的な融資を組めるというメリットがある一方で、購入後の維持費や管理費が高くなるというデメリットがある。
またRCマンションでは屋上防水や外壁塗装などの大規模修繕も定期的に必要になってくるため、高額な費用が発生することもある。
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木造アパートの優位性・メリットとは?
RCマンションと比較して、木造アパートは建築費から月々のランニングコスト、修繕費など割安である。また、リフォームがしやすいということも木造アパートの特徴だ。テレビ番組でも木造物件の柱1本だけを残して、建物をフルリノベーションすることも可能なのである。
日本は地震が多く、また建築の技術力も高いため、木造アパートの法定耐用年数は22年ではあるものの、定期的にメンテナンスを行うことで、長期間住むことが可能となっている。中には築40年や50年を超える木造アパートというのも珍しくはない。
木造アパートは法定耐用年数が22年と短いため、短期間で減価償却を行うことが可能であったり、積算評価が出にくいことから固定資産税も少額であるという、税金面でのメリットも大きい。
もし築古の木造アパートを取り壊して更地にするコストも、RCマンションと比較すると割安である点も、出口戦略を考えるうえでも重要なポイントである。
新築木造アパートが中古物件より利回りが良いこともある?
新築一棟物件を検討するのであれば、RCマンションは費用が高額で工期も長くなることから、なかなか手を出すことが難しいが、木造アパートは建築費用が割安で、工期が短いため、良い土地を見つけることができれば、検討してみる価値はあるだろう。
物件価格が高騰していると、中古物件と新築物件の利回りがほとんど変わらないという場合もあるので、手間はかかってはしまうが、新築木造アパート投資も、魅了的な投資対象となる可能性がある。
不動産業者が販売している新築木造アパートは、利益が大きく乗っているため割高になってしまうので、新築を挑戦するのであれば、土地探しから行うべきである。
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【RCと木造】不動産投資の維持費・管理費が安いのはどちらかまとめ
銀行からの融資が組みやすいという理由で、RCマンションに飛びついてしまうと、購入後の維持費や管理費が高額でびっくりする人も多いので、注意が必要だ。建物の構造による特徴の違いをしっかりと把握した上で、投資対象を決めるようにすると良いだろう。
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