不動産投資家の多くは、築年数の浅い物件を購入したいと考える。特に築年数が10年以内の物件であれば、賃貸需要も強く空室が発生しにくいし、大規模修繕などの費用がかからず、また売却しようとしても耐用年数が多く残っていることから、銀行からの融資が組みやすく、売却がしやすい。
だが、築浅物件は慎重に検討しないと、利回りが大きく低下してしまう可能性がある。それは新築プレミアム家賃があるからである。ここでは新築プレミアム家賃についてみていきたいと思う。
目次
新築プレミアム家賃に要注意。築浅物件のリスク。
築浅物件は一般的に利回りが低くなりがちではあるが、今後数年間は空室のリスクが少なく、リフォーム費用が発生しないとの理由から、多少割高に感じても購入してしまう投資家は多い。だが、築浅物件こそ慎重に検討しないと、後々家賃収入が下落して苦労する可能性があるので、注意が必要だ。
新築の物件は、中古の物件と比べると家賃が高めに設定されている。これを新築プレミアム家賃というが、新築時から入居している人の家賃は途中から入居してきた人より高いということが頻繁に発生するのである。不動産オーナー側から家賃を自発的に下げるということはないので、家賃交渉をしなければ新築プレミアムがのったままとなってしまう。
入居者が入れ替われれば家賃は相場並みに落ち着いてくるのだが、新築プレミアムがのっている場合は、相場より1万円~2万円高いということも珍しくない。
レントロールで新築プレミアム家賃がないか要確認。悪質な不動産業者には要注意。
築年数が浅い不動産物件であればあるほど、この新築プレミアム家賃のリスクは高くなる。特に築2年~4年いくらの物件は、全ての部屋が新築プレミアム家賃となっていて、レントロールだけみてもわからない場合があるので要注意だ。かならず近隣の同スペックの物件の家賃を確認する必要がある。
悪質な不動産業者であれば、売却時の利回りを少しでも高くみせるために、高額な広告費やフリーレントを付けたりして、強引に高額な家賃で入居者を付けているケースもあったりする。レントロール上の家賃が相場からかけ離れていないかは、どの不動産物件においても確認が必要であるが、築浅物件であればその可能性がより高いことを認識して探す必要があるだろう。
築浅物件は家賃下落が一番高い時期に保有することになる。
一定期間は入居付けに苦労せず、空室率は低そう、しばらくは大規模修繕が不要で費用がかからなそうというところに注目して、多少利回りが低くても築浅物件を購入するというのは危険である。
その利回りが新築プレミアム家賃をベースに計算されていた場合には、退去があった際には利回りが大幅に低下し、最悪の場合は銀行ローンの返済にも影響が出てしまう。
不動産投資では一般的には、物件購入時の家賃が一番高く、そこから下落していくことになる。築浅物件の場合は新築プレミアム家賃がなかったとしても、家賃の下落率は一番高い時期に保有することになるので、より注意が必要だ。
⇒【東京と地方どちらに不動産物件を購入すべきか?3つの不動産投資戦略とは?】
【新築プレミアム家賃】の詳細をわかりやすく解説まとめ
新築プレミアム家賃は、レントロールを見ているだけではわからないことが多いので、築浅物件を購入する際には注意が必要である。また不動産投資に興味がなかったとしても、新築から賃貸物件に住んでいる人は、自分の家賃が新築プレミアムによって相場より割高ではないか確認し、家賃交渉をしてみると良いだろう。
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