多くの不動産投資家が不動産物件購入後のリスクとして懸念しているのは空室リスクであるが、その次に来るのが入居者トラブルである。入居者トラブルには、家賃の滞納、近隣とのトラブルやクレーム、ゴミ出しのルール違反など、さまざまなものがある。
でこのような入居者トラブルの発生は可能な限り回避したいと思うが、実は入居条件を緩和するとトラブルは発生しやすくなるのである。ここではその理由についてみていきたいと思う。
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目次
入居者トラブルを未然に防ぐには入居審査が重要。初期費用を安くするのはリスクが高い。
入居者トラブルを回避するためには、申込時の入居審査でしっかりと見極めをする必要がある。不動産投資家の心理として、空室が多かったり、長期化してしまうと、どんな人でも良いから入居して欲しいと思ってしまうものではあるが、入居審査では厳しく対応することが、入居者トラブルを未然に防ぐためには重要となる。
また同時に賃貸募集の条件も重要となってくる。空室が続けば家賃を下げることを検討していくことがあるが、最近では初期費用を無料や極力安くするサービスも増えてきている。しかし、初期費用を下げるということは、本来お金が無くて引越しができない人を入居させてしまう可能性があるので、入居者トラブルが起こりやすくなってしまう。
入居者が引越し時に支払う費用とは?敷金0・礼金0物件も増えているが、入居者の属性を下げることになる。
通常、入居者が引越し時に支払うものとしては、敷金(家賃の1~2ヶ月分、ペット飼育時には上乗せされることも)、礼金(家賃の1ヶ月分、広告費に充当されることも多い)、仲介手数料(家賃の1ヶ月分)、火災保険料(2年間で2万円程度)、前家賃(家賃の1ヶ月~2ヶ月)、保証料(家賃の30%~50%程度)、鍵交換費用(1万円~2万円)などがある。
地方の物件では敷金0・礼金0の「ゼロ・ゼロ物件」も多くなってきてはいるが、場合によってはフリーレントや仲介手数料も無くすこともある。入居者にとっては低額で引越しができるため、空室が埋まる可能性は高くなるが、過剰な家賃の引き下げや入居条件の緩和は、入居者の属性を下げることにつながってしまう。
入居者トラブルで一番多いのは家賃滞納。日本では入居者保護が手厚く、家賃滞納でも強引に追い出すことはできない。
入居条件を緩和することによって発生するトラブルで一番多いのは、家賃滞納である。家賃滞納が発生すると、退去してもらうまでには数ヶ月分相当の家賃が費用となることがあり、不動産賃貸経営に大きな影響を与えてしまう。
日本では入居者保護が手厚く、家賃滞納が発生したからといって、入居者を強引に追い出すことはできない。もし夜逃げして入居者が住んでいないとしても、荷物を勝手に撤去することはできず、必要な法的手続きを行う必要がある。またもし荷物を処分することができるようになっても、処分に費用はかかるし、それまでの期間家賃は入ってこないし、次回入居者募集には原状回復が必要となり、大きな費用が発生してしまう。
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入居条件の緩和で入居者トラブル発生リスクが高くなる理由まとめ
不動産賃貸経営では、空室が埋まらない時に家賃を下げたり、入居条件を緩和しすぎると、家賃滞納などの入居者トラブルが発生しやすくなってしまう。そのため長期的な視点で、入居者審査をしっかりと行っていく必要がある。
家賃滞納が発生した場合の損失は、手間も含めて想像以上に大きいため、慎重に入居者を選んでいく必要がある。
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