スルガ銀行が発表した2019年3月期第一四半期決算で、不動産向け融資を大幅に絞っていることが鮮明となった。
シェアハウス向け不正融資の影響を受け、不良債権比率も大幅に上昇。
預金残高も減少しており、個人の解約が目立っている。
ここではスルガ銀行の不動産向け融資の状況と、最近の不祥事についてみていきたいと思う。
目次
スルガ銀行不動産向け融資の状況は?2019年第一四半期決算から分析。
スルガ銀行はシェアハウス不正融資問題を受けて、不動産向け融資は大幅に減少。
2018年第一四半期の個人ローン実行額は162億円。前年同期は1,090億円で前年同期比▲85.1%となった。
また、貸倒引当金の追加計上により、不良債権比率は4.27%と前年同期の0.89%、2018年3月末の2.20%から大幅に悪化した。
預金残高(期中平均)は3兆9,425億円と前年同期から▲1,170億円(▲2.8%)。個人がスルガ銀行から預金を引き上げている様子がうかがえる。
決算も苦しいスルガ銀行であるが、いままでの収益の柱であった個人向け融資が減少し、顧客も預金解約に動いていることから、今後ますます厳しい状況になっていくことが予想される。
⇒【積算評価を重視しすぎると銀行融資が受けられれなくなる可能性について解説】
スルガ銀行2018年8月に不祥事発覚相次ぐ。預金不正流用、東京スター銀行欺き、暴力団員に住宅ローン融資。
スルガ銀行は不祥事が相次いで発覚している。
2018年8月14日には男性行員が顧客の定期預金約1億6,500万円を不正に解約し、融資先に流用したとして、行員は懲戒解雇されている。
シェアハウス向け融資については、東京スター銀行に対して虚偽の説明をし、東京スター銀行に3億円の融資を実行させた疑いが浮上。
また8月15日には暴力団員に対して住宅ローン融資を行っていた可能性が浮上し、調査が進められている。
これらの不祥事をうけて、金融庁は一部の業務停止命令をする方向で検討に入っていると言われている。
しかしながら、今後も不祥事が発覚すれば、更に重い処分となる可能性もあるだろう。
スルガ銀行の融資引き締めが不動産業界に影響。三為業者の多くは倒産・廃業へ。
これまでサラリーマン向け不動産投資を主導してきたスルガ銀行。融資の引き締めを行ったことによる市場への影響は計り知れない。
不動産価格に影響を与えるのはもちろんのこと、スルガ銀行からの融資をあてにして営業していた、三為業者と呼ばれるような不動産業者の倒産・廃業が相次いでいる。
最近では水戸不動産も営業を終了することを発表し、話題となった。
投資用不動産市場が今後どのように変わっていくのか注目である。
スルガ銀行2018年8月以降不動産向け融資の状況まとめ
スルガ銀行の不動産融資引き締めは話としては聞いていたものの、今回の決算発表で数字として確認することができた。
金融庁からの行政処分で、今後しばらくは不動産向け融資を行えなくなる可能性があるため、今後更に不動産市場に影響を与えるかもしれない。
引き続きスルガ銀行の動向からは目が離せない。
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