スマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」向けに不正融資を行っていたスルガ銀行。
現在第三者委員会によって詳細が調査されており、2018年8月中には調査内容が発表される予定となっているが、その間にもスルガ銀行はさまざまな不祥事が明かになっている。
そしてその調査内容で発表されるか注目されてることに、融資担当者が個人的にキックバックを貰っていたことがある。
ここではその詳細をみていきたいと思う。
目次
スルガ銀行融資担当者、不動産物件視察費用を業者から個人的に受け取ったケースも。
スルガ銀行は日本全国の不動産物件に対して積極的に融資を行ってきたが、融資実行の前には当然ながら融資担当者は現場を確認することになる。
スルガ銀行は融資エリアが広く、審査が迅速であることから多くの不動産業者に好まれており、物件依頼の視察が相次いでいた時期があった。
スルガ銀行の融資担当者は業務の一環として不動産物件を視察することから、当然会社からは出張にかかる費用は出るものの、一部の担当は不動産業者にその費用を負担することを依頼していた。
不動産業者もスルガ銀行の融資がつかなければ売上に繋がらないため、スルガ銀行担当の出張費用負担を了承し、その費用をスルガ銀行担当の個人口座(あるいは手渡し)に振込を行っていたケースがあったのである。
スルガ銀行融資担当者、司法書士紹介で利益の一部を個人的にキックバック。
スルガ銀行は融資実行が決まった際には、司法書士を紹介してくる場合が多い。
そしてその司法書士とスルガ銀行の融資担当者は裏で取引をしている可能性が高いのである。
不動産物件をはじめて購入する人なら、経験も司法書士の知り合いもいない人がほとんどであるため、紹介されるがままに司法書士を使うケースがほとんどだろう。
司法書士は不動産物件購入者から費用を徴収して、利益の一部をスルガ銀行融資担当者にキックバックしているケースもあったようだ。
スルガ銀行のボーナス(報酬)は融資実行額によって決まる。
このようにスルガ銀行の融資担当者は、不動産向け融資実行の過程において、複数の方法で個人的に利益を得るスキームが確立されていたのである。
そして先日発覚したのは、スルガ銀行のボーナスは融資実行額の実績に応じて決まるということである。
ボーナスは4ヶ月から最大1年分と大きくばらつきがあったため、個人的なキックバックに加えて融資額を拡大することもスルガ銀行行員の大きなインセンティブとなっていた。
シェアハウス不正融資問題が発覚して以降は、ボーナス査定方法は変更されたようであるが、融資実行額に応じて金額が決まるというのは驚きである。
おそらく返済の実績や安全性という点は評価されずに、短期的に融資額を積み上げた人が多くボーナスを受け取るという、仕組み的に不正融資が起こりやすい環境があったといえるだろう。
業者からの金員受領について第三者委員会が公表。
2018年9月7日に公表された第三者委員会の資料において、スルガ銀行行員の金員の受領についても明らかになっている。
遠方で金消契約(融資契約の締結)を行う場合には、不動産業者から交通費の支払いが確認できるようなメールがあったようだが、個人口座でやり取りしているため、第三者委員会の調査では実際に支払いがされているかまでは確認することはできていない。
しかしながら、「引くほどの金額が入っている」というようなメールのやり取りもあったようだ。
またキックバックについては14名が受領していることをアンケートで指摘されているが、金額についてはわかっていない。
引用:スルガ銀行 第三者委員会 調査結果
スルガ銀行融資担当者は個人的にキックバックを貰っていたまとめ
スルガ銀行は社内の評価制度からも不正融資が起こりやすい状況を作り出しており、また融資担当者は不動産融資を実行する過程において、個人的に金銭を手にする機会を作り上げていた。
このような状況であれば不正融資が起こっても不思議ではないだろう。
まだまだ知らない事実があるかもしれず、第三者委員会の調査内容発表に注目したい。
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