ここ数年スルガ銀行からオーバーローンを引き出し、中間省略登記を行うことで莫大な利益を得てきた三為業者。
三為業者から不動産物件を購入したことがある人や、紹介を受けたことがある人は、かなりのスピード感で契約締結までもっていくことに驚いたことがある人も多いかもしれない。
ここでは三為業者が不動産物件を売り急ぐ理由やそのスキームについて紹介していきたいと思う。
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目次
三為業者が不動産物件を売り急ぐ理由は資金繰りの問題。
三為業者が高属性サラリーマンに不動産物件を売り急ぐ理由には、売主に対しての決済の期日が関係している。
スルガ銀行を中心に銀行から融資が組みやすく、多くのサラリーマンが不動産投資に興味を示している状況では、いかに不動産物件を仕入れるかが利益をあげるための大きなポイントであった。
そのため三為業者は売れそうな物件を見つけると、すぐに買付証明書を出し、手付金だけを支払って売買契約書を締結する。
そして決済期日までに買主を見つけ、中間省略登記を行うことで三為業者は手付金以外の資金負担をすることなく、大きな利益を得ることができたのである。
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中間省略登記の活用で三為業者が増えた。
三為業者にとって手付金だけで不動産売買をできるというのは大きなメリットである。
基本的には資本金の少ない中小企業が多く、銀行から融資を引くことは難しいため、本来であれば大きな金額の不動産売買できないが、中間省略登記を行うことによって取引を拡大することができた。
たとえば、1億円の不動産物件を購入する際には、10%に相当する1,000万円の手付金を買主に支払う。
その物件を1億1,000万円でサラリーマン投資家に販売することができれば、1,000万円の投下資金で1,000万円の利益を生み出すという、資金効率のよい商売となるのである。
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中間所略登記では物件価格を売上計上することができ、三為業者は銀行から融資が受けられることも。
中間省略登記では、三為業者は物件金額そのままを売上として計上することができる。
一方で不動産仲介の場合の売上は仲介手数料のみとなるので、1億円の物件を両手で仲介しても、売上高は600万円強と、大きな差となるのである。
三為業者にとっては売り上げが増え、実績を積み重ねていくと銀行から融資を受けられる可能性が高まってくる。
銀行から融資を受けられるようになれば、多くの手付金を用意することができるので、購入できる物件の数も増えるし、最悪買主が見つからなければ、一旦自分で物件を所有するという選択肢も取ることが可能となる。
中間省略登記は、手付金だけで大きな利益を得ることができるだけではなく、銀行から融資を受けやすくなるというメリットもあるのだ。
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三為業者が不動産物件を売り急ぐ理由やスキームをわかりやすく解説まとめ
三為業者は中間所略登記をうまく活用することで大きな利益を上げてきたが、スルガ銀行のシャアハウス向け不適切融資問題をきっかけに、不動産向け融資が出にくくなったことから、多くの三為業者は廃業や倒産を余儀なくされている。
しばらくはこのスキームを活用することは難しくなるが、また不動産市況が盛り上げあり、銀行融資が出やすくなれば、三為業者は復活してい来るかもしれない。
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