大手銀行は2018年9月1日、住宅ローン金利の引き上げを行った。
日銀が異次元の金融緩和政策を修正したことを受けての動きであり、変動金利で借り入れを行っている不動産投資家は、今後金利が上昇していくのか気になっていることだろう。
ここでは不動産投資向け融資の金利上昇の可能性についてみていきたいと思う。
目次
住宅ローン金利引き上げが投資用不動産向け融資に与える影響とは?
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行など大手銀行は2018年9月1日、10年固定の住宅ローン金利を0.05%引き上げることを発表した。
2018年7月末に日銀が金融緩和政策を修正し、金利上昇を容認することが明かになったことを受けて、大手銀行はさっそく金利上昇に踏み切った形となっている。
不動産投資家が銀行借り入れを行う場合には、変動金利で契約している場合がほとんどで、金利が上昇すればキャッシュフローに大きな影響を与えることになるだろう。
ただ今回の住宅ローンの金利上昇をうけて、不動産投資向け融資の金利がすぐに上がる可能性は少ないと考えている。
なぜなら住宅ローン金利は過去2年間以上にわたって下落を続けてきたが、不動産投資向けの金利が引き下げられたというケースはほぼないはずである。
現時点では住宅ローン金利が0.05%上昇したからと言って、すぐさま不動産投資家に盈虚を与えることはなさそうだ。
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今後日銀が金利を引き上げる可能性は?消費税増税の影響は?
ただ今後の流れとしては、米国も利上げに動き方針となっており、日本の金利も上昇に向かってもおかしくはないかもしれない。
日銀のマイナス金利政策は異次元の対応であり、銀行の収益を圧迫していることから、いずれは修正に動く可能性は高いだろう。
ただそれが短期間で起こるかと言えば、そうはならないと考えている。
日銀は多少の金利上昇は容認する姿勢を示したものの、引き続き短期金利は▲0.1%、長期金利は0%程度を維持することを明言しており、ここからすぐに大きく金利が上昇していくシナリオは想定しずらいだろう。
金利は景気動向に大きな影響を与え、2019年10月には消費税を10%に引き上げる予定となっていることから、ここからの金利引き上げにはついては日銀も相当慎重にならざるを得ないはずである。
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金利上昇がキャッシュフローに与える影響は把握しておこう。
短期的には住宅ローン金利が多少上昇しても、投資用不動産向けに影響を与える可能性は少ないが、健全に不動産賃貸経営を行っていくためには、どの程度の金利上昇に耐性があるのかはしっかりと把握しておくことが重要だ。
現在の借入金利がどこまで上昇したら、月々のキャッシュフローは0になるのか、金利が1%上昇したらキャッシュフローはどのように変化するのかは、計算しておいた方が良いだろう。
万が一金利が上昇し始めた際に、キャッシュフローの想定ができていれば、不動産物件を売却するという決断も早く行うことができる。
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不動産投資向け融資の金利上昇の可能性まとめ
不動産投資家にとって金利上昇はもっとも避けたい事態の一つであろう。
住宅ローン金利上昇のニュースで心配している人も多いとは思うが、短期的に投資用不動産向け融資に与える影響は、ないと思われる。
ただ長期的にはいつ金利が上昇してもおかしくはないので、金利上昇した際に備えて、しっかりとシミュレーションを行っておくと良いだろう。
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