東証一部上場企業であるTATERUが顧客の預金残高の改ざん、水増しや見せ金を無利息融資していた問題を受けて、同じく東証JASDAQに上場し、同じようなビジネスモデルを提供しているシノケンに対しても、不正行為を行っている疑惑が浮上している。
シノケンに対する問い合わせは殺到しているようで、シノケンはニュースリリースを行い、ビジネスモデルに対して説明を行った。
ここではシノケンのニュースリリースの内容、不正行為の可能性についてみていきたいと思う。
目次
シノケン、TATERUのような不正行為は行っていないことをニュースリリースで発表。
シノケンは2018年9月4日、「当社ビジネスモデルについて」というタイトルでニュースリリースを行った。
ニュースリリースでは、TATERUとは明言はしなかったものの、同業他社の一部報道として言及。
シノケンは、不正行為は行っていないことを明言している。
引用:平成30年9月4日 シノケングループ ニュースリリース
シノケンが不正行為を行っていた可能性は?頭金ゼロでアパート経営は本当に可能か?
シノケンはニュースリリースにもある通り、「頭金ゼロでもアパート経営はできる」ということをスローガンとしている。
頭金ゼロという事は、不動産価格だけでなく諸経費も含めたオーバーローンを銀行から引き出すスキームを提供できるということになるが、スルガ銀行の不正融資問題が明るみになった今、正攻法でオーバーローンを引き出せるのかは疑問が残る。
もちろんオーバーローンの可能性が0というわけではないが、銀行がオーバーローンをするためには、ある程度の不動産投資経験と資産規模が必要となってくるだろう。
シノケンがアパート販売の対象としているのは、おそらく不動産投資経験がないサラリーマンがほとんどであると思われる。
いくらシノケンのアパートやビジネスモデルが優れていると言っても、投資経験もなくて、資産もおそらく人並みのサラリーマンに対してフルローンを行うとは考えにくい。
シノケンが不正を行っていたということを断言することはできないが、不動産投資の状況を考えるとオーバーローン前提というのは考えにくく、もし不正を行っていれば、今後投資家から何らかの証言があるだろう。
シノケンのアパートは利回りが低くて検討に値しなかった。
私は2年以上前になるが、シノケンのアパートセミナーに参加して、何件か物件を提案してもらったことがある。
場所はシノケンが得意とする福岡県のものもあったし、都内のものもあったが、いずれも利回りが6%~8%と魅力的なものではなかったので、具体的な話まではいかなかった。
当時の資料は捨ててしまったため、資金計画がどのようになっていたかは正確に覚えていないが、金利は2%台で融資を受ける前提になっていたと記憶している。
オーバーローン前提にはなっていなかった気がするが、具体的な話までいかなかったため、そこまで細かな話をすることはなかった。
今考えればもう少し具体的な話を聞いておけばよかった。
そうすればシノケンのビジネスモデルについて、もう少し理解していただろう。
シノケン、預金の改ざん・水増しなどの不正行為はないとニュースリリースで発表まとめ
シノケンがもし不正行為を行っていれば、今後契約した投資家からの証言等で不正が明かになっていくことだろう。
ただニュースリリースという形で不正はないと断言したことを考えると、シノケンは自信があるようにも取れる。
ただスルガ銀行も、引っ越し料金の水増しを行っていたヤマトホールディングスも、当初は不正はなかったという発言をしており、その後に不正がどんどん発覚するというケースも多い。
今後TATERUも含めて、実態が明らかになることを祈りたい。
<こんな記事も読まれています>
⇒【上場企業のTATERUが不正融資に関与】
⇒【TATERUから不動産を購入した投資家は失敗か?】
⇒【TATERU、顧客に見せ金を無利息融資】
⇒【西京銀行とTATERUの関係性とは?】
⇒【TATERU、特別調査委員会を設置へ】
⇒【「かぼちゃの馬車」問題を解説】
⇒【元FC東京・平山選手「かぼちゃの馬車」被害に】
⇒【スマートデイズ黒幕・佐藤太治とは】
⇒【スルガ銀行金利交渉のチャンス?不適切融資1兆円】
⇒【2018年8月スルガ銀行金利交渉、そのポイントは?】
⇒【スルガ銀行不適切融資は1兆円では済まない!?】
⇒【不動産投資セミナーに参加する際注意すべき3つのポイントとは?】
⇒【二重売買契約オーバーローンの詳細をわかりやすく解説】
⇒【サラリーマンが知っておくべき銀行融資・借入の基本とは】
⇒【スルガ銀行が不動産業者から好まれる理由とは】
⇒【サラリーマン引退のための不動産投資戦略とは】
この記事へのコメントはありません。