スルガ銀行の不正融資問題に続いて明かになった、TATERUの顧客預金残高の改ざん、水増し問題。
この影響を受けて、同業他社に対しても同じような不正行為を行って銀行から融資を引き出し、不動産の販売を行っていた疑いがもたれている。
シノケングループは9月4日に不正がないことを発表し、9月12日にはファイスネットワークが顧客の融資状況の調査結果を発表した。
ここではフェイスネットワークの融資状況の調査概要、ビジネスモデルについてみていきたいと思う。
目次
フェイスネットワークのビジネスモデル。「GranDuo」の表面利回りは?
フェイスネットワークは、不動産投資コンサルディング事業を目的として2001年10月2日に設立。
2003年12月から新築一棟マンションの自社ブランド「GranDuo」シリーズの販売を開始して業績を拡大、2018年3月16日には東証マザーズ市場に上場を果たした。
フェイスネットワークのビジネスモデルの特徴は、「世田谷区」「目黒区」「渋谷区」の「城南3区」を中心に、一棟新築RCマンションの販売を行っている点。
都内の一等地ということもあり、平均販売単価は4億円、2018年3月末時点の入居率は106棟の管理を行って98.1%と高い数字を維持している。
普通のサラリーマンは4億円という融資を受けることができないので、資産家かかなりの高属性のサラリーマンをターゲットにして、新築マンションの販売を行っているのだろう。
その点ではTATERUやシノケンなどと、ビジネスモデルという点では少し異なるといえる。
フェイスネットワークが販売する「GranDuo」の表面利回りは5%台、良くても6%台と言ったところだろうか。
フェイスネットワーク、不正がないことを発表。紹介できる金融機関とは?
フェイスネットワークが「GranDuo」に融資先として、顧客に紹介できる金融機関は、2018年8月末時点で20行あるという。
フェイスネットワークのホームページに取引銀行20行の記載があり、その中には「スルガ銀行」の名前はなかった。
引用:フェイスネットワーク ホームページ
しかしながら同じ静岡で競合の「静岡銀行」の名前はある。「静岡銀行」の不動産向け融資の金利は3%台半ばとなっており、「静岡銀行」から借入を行えば、保有期間中のキャッシュフローは相当厳しいものとなるだろう。
また不動産融資に積極的な「SBJ銀行」の名前も。
フェイスネットワークは東証マザーズに上場した2018年3月から8月末までの契約を調査し、不正行為はなかったことを発表している。
「GranDuo」のオーナーでフェイスネットワーク経由銀行融資を契約した割合は50%であり、使用した銀行は4行のみ。
顧客ターゲットが資産家ということもあり、自ら銀行と取引がある人が多く、フェイスネットワークが関与しない案件が多かったのだと思われる。
「GranDuo」の表面利回りを考えると、利用する銀行の金利は相当低くなければ厳しく、取引銀行からピックアップすると「りそな銀行」「千葉銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」あたりだろうか。
フェイスネットワーク創業者・蜂谷二郎氏は信用金庫で不動産融資を担当
フェイスネットワークの創業者・蜂谷二郎氏は信用金庫出身で、不動産融資を担当していたとのこと。
昨今の収益不動産の状況や、銀行の不動産融資の審査内容を熟知していることから、不正を行えばいくらでもできたとは思うが、健全に経営を行っていた点は評価できる。
今回自主的に顧客の融資状況を調査して開示したという事は、不正がないという強い自信の表れだろう。
ただ不正はなかったとしても、今後のマンション販売に影響は出る可能性は高く、一時的には業績は悪化するかもしれない。
まとめ
フェイスネットワークのビジネスモデルとしては、賃貸需要が安定した都内の一等地にマンションを建築し、利回りが低くても健全に経営していくというものである。
また販売単価が高いことから、資産家やかなりの高属性サラリーマンをターゲットとしており、不正行為を行って融資を引っ張る必要はなかったのだろう。
自主的に調査をして発表したところは評価することができるが、一時的には業績への悪影響は避けられないかもしれない。
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