「今の収入に満足していますか?」
「人生を存分に楽しんでいますか?」
「一発逆転!資産家として富裕層の仲間入り」
そんな魅力的な謳い文句で投資家を集めている不動産セミナーが存在する。
「億り人になるセミナー」と称されたものはどのような内容なのか?
ここではそのセミナーを主催するLiv trustについてみていきたいと思う。
目次
Liv trust(リブトラスト)が販売する物件詳細
この会社の存在はTwitter上でのツイートで知り、内容を見てみて驚いた。
「信頼と時間で資産を築く」というキャッチフレーズとともに紹介されている物件・投資例は以下の通り。
物件価格:2,800万円
年間家賃:96万円(表面利回り3.4%)
借入 :2,790万円
金利 :1.65%
年数 :35年
引用:Live Trustホームページ
30歳から毎年60万円の繰り上げ返済をした場合、27年後には繰り上げ返済総額1,620万円、家賃収入288万円、利回り17%との記載がある。
なぜ27年後の繰り上げ返済総額、3年分の家賃収入を算出し、それらを使って利回り17%(288万円÷1,620万円)となっているのか、理解ができない。
Liv trust(リブトラスト)が販売する物件の収益計算・シミュレーション
ではこの物件で収益計算をしてみようと思う。
【前提条件】
■管理手数料5%
■管理費・修繕積立金15,000円/月
■固定資産税10万円/年
■諸経費は物件価格の4%(通常7%だが、売主で仲介手数料3%無し)
■空室率10%
■3年ごとに1%家賃下落
■繰り上げ返済はなし
■売却時キャップレート7%
■個人所得600万円で税率は計算
まず諸経費分として自己資金を122万円入れる必要がある。
インカムゲイン累計がキャッシュフロー金額であるが、初年度で▲60万円。
前提となる年間60万円の繰り上げ返済を行うと、キャッシュフローは年間▲120万円=▲10万円/月。
初年度の税引き後利益は▲19万円、税率を30%とすると還付でる税金は5.7万円とメリットと呼ぶには小さすぎる金額。
唯一利益を上げるシナリオは22年以上保有して、表面利回り7%で売却。22年目に売却すればトータル2.7万円の利益。
ただ毎年120万円の手出しを22年間、総額2,640万円を負担し続けて、2.7万円なので利回りは0.07%と銀行預金かと思うくらいの利率。
この投資と銀行預金どちらのリスクが低いかは言うまでもない。
Liv trust(リブトラスト)会社概要
リブトラストは2007年に資本金1,000万円で設立された会社で、本社は港区六本木7丁目。
グループ売上高は143億円で、従業員数は132名となっている。
販売戸数は2003年の240戸から2017年には4,636戸と急拡大している。
引用:Live Trustホームページ
会社設立が2007年にも関わらず2003年から販売戸数があるのが不明(グループ会社の販売か?)である。
またグループ売上高から販売戸数を割ると(143億÷4,636戸)、1戸あたりの価格は約308万円。
築古の狭小ワンルームマンションを取り扱っているかと思われる価格帯であるが、おすすめ投資マンションとして紹介されているのは、港区芝浦の新築(2018年5月築)の25~30㎡のマンション。
引用:Live Trustホームページ
謎が多いが、読者を試しているのだろうか?
まとめ
かなり衝撃的な内容ではあったが、この物件を購入する投資家はいるのだろうか?
色々とツッコミどころが満載で、おもしろい内容であった。
この記事を読まれた方々が、このような業者・物件にひっかからないことを期待したい。
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