新築マンションは不動産業者の販売に関わる広告料などが大きく乗せられおり、価格は割高であることから、投資対象としては避けたほうが良い。
新築マンションは購入後一回でも住めば中古マンションとなってしまい、一般的には価格は30%程度下落すると言われている。
一部の超高級ブランドマンションであれば、その後も値上がりしていく可能性が高いため、投資対象として考えられなくもないが、価格帯としては一般的なサラリーマンが手を出せるものではないだろう。
ここでは新築マンション投資についてみていきたいと思う。
目次
新築マンション投資はキャッシュフローがマイナス
不動産業界に新築マンションを販売している不動産業者は非常に多い。
なぜなら、サラリーマンに販売することが可能で、儲かるからである。
不動産業者がサラリーマン向けに販売する物件で多いのは、都内の駅から徒歩10分程度、20㎡前後のワンルーム、価格は2,000万円前後で利回りが5~6%といった物件。
このような物件に対して自己資金なしのフルローンやオーバーローンで35年間、金利2.5%前後の銀行融資をセットにして販売しているのである。
この条件で新築マンションを購入してしまうと、新築であるため入居者を付けるのにはあまり苦労しないが、家賃収入よりも銀行への返済、管理費・修繕積立金、固定資産税の合計が良くてトントンか、多くの場合は支出合計が家賃収入を上回ってしまう。
毎月のキャッシュフローはマイナスで給与からの補填が必要となり、また売却しようとしても銀行の残債以下でしか販売することができずに、持ち続けるしかできないという状況になってしまう。
新築マンションは家賃の下落幅が大きく、退去も多い
新築時には新築プレミアム家賃と言って、相場よりも割高に貸すことができるが、一回退去が発生してしまうと、家賃を相場並みに合わせなければならず、毎月のキャッシュフローのマイナスは拡大していくことになる。
退去のたびに原状回復費用は掛かってくるし、不動産仲介業者に対して広告料の支払いも必要になってくるので、支出の金額はさらに増えていく。
またワンルームは学生や新卒の社会人が入居者のターゲットとなってくるため、卒業や転勤、結婚などによって2年ごとに退去となることも多く、空室期間が出て家賃収入が得られないときもあるだろう。
これは不動産投資全般に当てはまることだが、家賃収入は購入時がピークとなって、その後は悪化していく一方である。
新築マンションの場合は特にこの傾向が顕著となるので、注意が必要だ。
銀行はサラリーマンの属性があるから融資する
このように苦しいことずくめの新築マンション投資であるが、なぜこのような物件に対して銀行は融資するのだろうか?
それはサラリーマンの給与収入をあてにしているからである。
毎月数万円程度の補填であれば、給与から出すことが問題ないという人も多いだろう。
そのため物件単体であれば、担保評価も収益性評価も融資をする実行するレベルにはないが、将来も安定して入ってくることが予想される給与があれば、銀行は融資を行うのである。
一般的なサラリーマンであれば、2,000万円や4,000万円の融資を受けることが可能で、このような新築マンションを1戸から2戸は購入することができるのである。
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不動産業者のセールストークに要注意
不動産業者は新築のワンルームマンションが、将来の資産形成になる、税金が還付される、団信があるため生命保険代わりになるというようなことを言って販売しようとしてくる。
しかしながら35年ローンの返済が終わった築35年のワンルームマンションにはほぼ価値はないし、税金の還付を損をしているから還付が受けられるわけであって、魅力的な投資方法ではない。
不動産業者は1戸販売することによって、200万円~400万円という高い利益を得ることができるので必死に営業してくるし、一定の割合で購入してくれるサラリーマンがいるので、新築ワンルームマンションの販売をやっている不動産業者は多い。
みなさんも会社に急に電話がかかってきて、営業された経験があるのではないだろうか?
まとめ
このように新築ワンルームマンションは不動産投資の対象としては適していないため、もし業者から営業を受けたとしても相手にしないほうが良いだろう。
サラリーマンという属性を利用して銀行融資を引くことができるが、その後は給与の持ち出し、販売しようとしても銀行ローンの残債以下でしか販売できないというつらい状況が待っている。
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