「カーテンスキーム」とは、本来空室の部屋にカーテンを付けて入居者がいるように見せる行為のことを言う。
スルガ銀行の不正融資問題で有名となった「カーテンスキーム」。
物件の入居率を実際に高く見せて、銀行から融資を引き出しやすくするために、三為業者と呼ばれる不動産業者を中心に行われていた。
ここでは「カーテンスキーム」について掘り下げてみていきたいと思う。
「カーテンスキーム」で入居率を偽装
銀行が不動産融資を行う際には、現在の入居率・稼働率がどの程度あるのかというのは重要な審査項目の一つである。
不動産経験が豊富で実績のある投資家であれば、空室率が高い物件を購入しても満室にできるだろうという目途は立ちやすいが、初めて物件を購入する投資家に対しては、銀行は入居率が高い物件を好む傾向にある。
三為業者とスルガ銀行のどちらが考えてネーミングしたスキームなのかは不明だが、「カーテンスキーム」といえば誰もがわかるくらいに浸透しており、多くの物件で採用されていた。
実際には「カーテンスキーム」をよく理解しているスルガ銀行の融資担当者が現地を訪問することも多かったため、カーテンを付けていたケースは珍しく、レントロール上入居者がいるようにみせかけることを指すことが多い。
もしスルガ銀行の上司などが現地を訪問する際には、実際にカーテンを付けて入居者がいるように装っていたケースもあったのかもしれない。
入居しているかはカーテンで判断しない
「カーテンスキーム」とはいかにも簡単なスキームであるが、実際に不動産に関わっているものは、入居者がいる・いないの判断はカーテンでは行わない。
一般的にはガス・電気メーターやポストを確認することで判断することが多く、「カーテンスキーム」というのは、レントロールを偽装するという意味から名づけられた可能性が高そうだ。
三為業者もスルガ銀行の融資担当者も実際に入居者がいるかは関係なく、レントロール上入居者がいて空室率が低いように偽装されていれば、融資審査を行うためには問題がなかった。
「カーテンスキーム」の被害者は不動産オーナー
「カーテンスキーム」は三為業者もスルガ銀行担当者も把握していることが多く、一番の被害者はその物件を購入するオーナーということになるだろう。
悪質なケースではレントロール上は入居者がいるようになっていたにも関わらず、いざ物件が引き渡しされていると空室だったというケースも多いようだ。
三為業者の中でも比較的大規模なところであれば、「カーテンスキーム」を行いながら、半年や一年といった期間の空室保証を行っているところもある。
この場合、オーナーは家賃を受け取ることはできるが、入居が決まらなければ退去したのと同じであり、空室保証終了後には空室率の高さに苦しむケースもある。
「カーテンスキーム」を徹底する三為業者は、空室保証の家賃を一旦不動産管理会社に振り込んで、家賃と一緒にオーナーに送金させていることも多かったようだ。
まとめ
空室を隠して入居者がいるように見せかけることを「カーテンスキーム」といい、スルガ銀行の不正融資問題では三為業者を中心に頻繁に行われていた。
スルガ銀行の融資担当者も「カーテンスキーム」については熟知しており、一番に被害者は物件を購入するオーナーといえるだろう。
「カーテンスキーム」は有名になりすぎたため、今後しばらくは使われることはないかもしれない。
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