「イールドギャップ」とは、不動産物件の表面利回りと銀行借入金利の差のことを言う。
たとえば、表面利回りが10%、銀行借入金利が3%の場合には「イールドギャップ」は7%(10%-3%)となる。
では不動産投資を行う場合、「イールドギャップ」はどの程度を目指せばよいのだろうか?
ここでは「イールドギャップ」の目安や理想、注意点についてみていきたいと思う。
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「イールドギャップ」の目安や理想
「イールドギャップ」は都内であれば7%以上、地方であれば9%以上を目指すべきだと考える。
表面利回りが地域によって平均値が変わってくるように、その影響を受けて「イールドギャップ」も変わってくる。
都内であれば金利2%で借入することができるのであれば、目指すべき表面利回りは9%以上、地方であれば目指すべき表面利回りは11%以上となってくる。
「イールドギャップ」も万全ではないため、あくまで物件を検討するにあたっての参考指標にしかならないが、選別する際に使うと便利な指標である。
まずは「イールドギャップ」のターゲットを決めて、物件の選定を行い、クリアしたものは詳細の資料請求や計算を行っていくと、効率的に物件を探すことができる。
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「イールドギャップ」は万全ではない?注意点とは?
「イールドギャップ」は万全な指標ではないという点は注意しなければならない。
まず表面利回りについては、実際に手元に残る金額と大きく乖離することがある。
たとえば、入居者からの公共料金を家賃収入として計算に入れているが、実際にはそのままの金額を支払う場合、実質利回りは低くなってしまう。
また銀行借入金利については、融資期間が全く考慮に入っていないので、10年で借りるとの30年で借りるのではキャッシュフローは大きく変わってくる。
このように「イールドギャップ」はあくまで最初の参考指標として使用し、詳細な計算は別途しなければならないことは覚えておこう。
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「イールドギャップ」はマイナスになる?
「イールドギャップ」がマイナスになるケースというのは、日本では聞いたことがない。
もしかしたら銀座や六本木の一等地の物件で、金利を3%以上で計算すればマイナスになることも出てくるかもしれないが、そのような物件は資産家向けであり、一般的なサラリーマンや個人投資家が対象とするものではないだろう。
海外であれば、シンガポールや香港など不動産価格が高騰しており、日本より借入金利が高いため「イールドギャップ」がマイナスになることはあると思う。
そう考えると日本の不動産は低金利の影響もあって「イールドギャップ」はプラスであるため、不動産投資を行う環境としては良いと言えるだろう。
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まとめ
「イールドギャップ」= 「物件の表面利回り」 - 「銀行借入金利」。
都内では7%以上、地方では9%を目指したいが、自分なりの基準を設けて物件を探してみると良いだろう。
ただ「イールドギャップ」には実質利回りを使用してなかったり、銀行借入期間が想定されていないので、指標としては完ぺきではない点には注意が必要だ。
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