私は札幌に重量鉄骨(S造)の収益不動産を保有しているのだが、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震によって、物件の外壁が一部損傷してしまった。
上限となる5,000万円の地震保険に加入していたため、保険求償を行ったところ「一部損」の認定を受けることとなり、保険金250万円が今後振り込まれる予定である。
正直250万円ではすべての修復を行うためには十分でない可能性が高いが、何もないよりはましだろう。
先日保険会社の鑑定人立会に同席し、「一部損」認定を受けた体験談を紹介したいと思う。
地震保険の保険金額支払いの基準、火災保険との違い
地震保険の求償を行ったことがあるという人はほとんどいないと思うが、火災保険の求償とは異なるので、まずは地震保険の求償について説明していこうと思う。
火災保険では被害が発生した場合、実際に修繕にかかる実費を清算する形となるが、地震保険は実費精算ではなく、4段階の損失認定によって保険金が支払われる。
「全損」であれば地震保険金額の100%、「大半損」であれば60%、「小半損」であれば30%、「一部損」であれば5%が支払われることとなる(ただし、時価が上限となる)。
「全損」は建物の損害が50%以上、「大半損」は40%以上50%未満、「小半損」は20%以上40%未満、「一部損」は3%以上20%未満でそれぞれ判定されることとなる。
今回私の札幌の物件では、建物の損害が3%以上20%未満と判定され、地震保険5,000万円の5%、250万円が支払われる見込みとなっている。
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地震被害状況の確認方法
地震保険の鑑定人は保険会社から委託を受けた会社が担当することとなっていた。
基本的に保険会社とのやり取りは管理会社にお願いしていて為、立ち合いをする必要はなかったのだが、あまり経験できるものではなく、また認定が一段階違うと保険金額が大きく異なるため、立ち合いすることにした。
物件の構造は重量鉄骨(S造)であるため、外壁部分の被害状況を確認して損害の認定を行うことになる。
なお、物件の構造が木造やRC(鉄筋コンクリート造)の場合には確認する箇所が異なってくる。
被害状況の確認については物件を細かく見ながら、写真を撮っていくという方法。
まずは地上から外部の状況を確認したうえで、建物の内部を確認していった。
物件は5階建てで24室あるため、全ての確認が完了するまでには3時間近くの時間を要した。
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保険会社も地震保険を積極的に支払う方針で「一部損」認定
今回の地震は被害がそれなりに大きかったことから、保険会社としても積極的に保険金支払いを行う方針であり、既にほかの物件でもほぼ「一部損」認定がされていることは情報として知っていた。
おそらく「一部損」認定になるだろうと思ってはいたが、保険申請代理人をたてることで「小半損」まで持っていけるかもしれないと考えたが、求償金額の40%~50%を支払わなければならないため、今回はやめることにした。
鑑定人は今回の地震で大阪から出張に来ているとのことで、2ヶ月くらいは北海道で物件の確認を行っているとのことだった。
鑑定人は本当に良い人で立ち合いが終わった後も物件に残り、何とか「小半損」まで持っていけないか頑張ってくれたのだが、被害状況的には10%程度であるため、「一部損」が限界とのことだった。
予想通り「一部損」認定となったが、立ち合いすることで自分の物件を細かく見る良い機会・経験になったと思う。
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まとめ
北海道地震によって所有する物件に被害が出たことから、鑑定人の立ち合いに同席した。
最終的には「一部損」認定を受け、保険金として250万円の支払いを受ける予定となっている。
「小半損」以上の認定を受けるためには、物件に相当なダメージが出ている必要があり、確立としてはかなり低いだろう。
また「小半損」認定を受けるような被害状況であれば、すぐに修繕を行わなければならないほど深刻な状況であるとも言え、どちらが良いかと言われれれば非常に微妙なところである。
今回地震保険鑑定の立ち合いを経験することができたが、希望としては今後二度とこのような経験はしたくない。
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