お金を借りたい人と貸したい人をマッチングさせるサービスである、ソーシャルレンディング。
その大手であるmaneoが運営する不動産担保のファンドにおいて、利息支払いの延滞が発生したことが明かになった。
延滞の理由としては、そもそもmaneoの担保価値査定を過剰に見積もりすぎており、プロジェクト自体に無理があった可能性がある。
加えてここ最近の不動産市況の下落によって、物件を売却しても元金の支払いが不可能になった可能性が高そうだ。
それでは詳細を見ていきたいと思う。
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目次
maneoのソーシャルレンディングの仕組み
maneoのソーシャルレンディングの仕組みは、銀行借入と同じように毎月の金利の支払いと、最後に元金の返済が必要となる。
毎月の金利支払いの遅延であれば、金額としては大きくないため、理由によっては大した影響はないが、今回の金利支払い遅延の背景には、元金の返済も難しくなる可能性があるため、影響は大きくなるかもしれない。
maneo、太陽光と不動産のソーシャルレンディングで滞納発生
maneoは2018年11月1日に3件の金利支払いの遅延が起こっていることを発表した。
3件のうち、1件は太陽光発電、2件は不動産となっている。
不動産向けに融資やソーシャルレンディングを行う場合には、対象不動産の担保価値の査定を行っており、金利の支払いが滞った際には担保物件の売却を行うことで、元金の回収はできるはずである。
maneoの不動産向け融資の詳細
maneoの不動産向けソーシャルレンディング発生した滞納では、5件のファンドの約20億円の融資を実行、その利息が延滞している。
その中でも金額が最大の案件では、maneoからmaneoの関連会社(以下、まとめてmaneoとする)に12億円の貸付を行い、同じ金額が不動産事業者に融資されている。
不動産業者はmaneoに対して毎月利息を支払うとともに、元本である12億円は13ヶ月後に一括返済を行う。
maneoの不動産向け貸出金利、担保評価
月々の金利については不明だが、通常の不動産投資の金利より割高な水準である可能性が高い。
担保評価は16億円としており、不動産業者は金利の支払いや一括返済ができなくなると担保を差し出すことによって、返済の義務はなくなる。
そのためmaneoは担保物件を売却することによって融資元金の回収をすることが可能となるはずである。
maneo、不動産の担保評価が過剰、価格下落で元本の回収が不可能?
不動産事業者は2018年5月~9月までの間、maneoに対して金利支払いを続け、不動産物件の売却を試みていたが、そもそも担保評価が過剰であったこと、不動産市況が下落していることから、融資元本以下での金額でしか売却ができない状況となっている。
そしてmaneoに対して2018年10月分の金利支払いはできないことを通知した。
maneo関東財務局から業務改善命令
maneoは2018年7月13日に関東財務局から業務改善命令を受け、8月14日に改善対応策を提出している。
maneoが行政処分を受けた理由は、太陽光発電などを目的として調達した資金が、それ以外の用途に使用されていた、または何に使われているかが把握できない状況であったから。
今回金利支払いの遅延が発生しているが、もともとmaneoの管理体制は不十分であり、怒るべくして起こったと言えるかもしれない。
maneo不動産ソーシャルレンディングで滞納発生まとめ
ソーシャルレンディング大手のmaneoは不動産向けの案件において、金利支払いの遅延が発生していることを発表。
maneoの不動産に対する担保評価が過剰であった上に、不動産市況の下落によって元本の回収が難しい状況となっている。
引き続き対象物件の売却は継続しているが、不動産価格はさらに下落しており、元本が回収できずに大きな問題に発生する可能性は高そうだ。
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