「住信SBIネット銀行」の住宅ローンを利用して投資用不動産を購入しているケースがあることが発覚した。
住宅ローン金利は1%以下の水準となっているが、一般的な投資用不動産向け融資の金利は2%から3%と大きな差があり、この差に着目して悪質な不動産業者が物件を販売するために、住宅ローンの利用をすすめた可能性が高い。
ここでは住宅ローンで投資用不動産購入問題についてみていきたいと思う。
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「住信SBIネット銀行」住宅ローン不正利用
今回問題が発覚したのは、「住信SBIネット銀行」が住宅ローン延滞の詳細を調査していたところ、ローン申し込み時には自己居住用としていたにも関わらず、実態は投資目的でマンションを購入していた事例があった。
2018年の不動産業界ではスルガ銀行の不正融資問題が話題となったが、その際にも資料の改ざんなどが行われていた。今回の住宅ローンを不正に利用していたケースでも、不動産業者が資料の改ざんを不正していた可能性が高いと見られている。
住宅ローン金利と投資用不動産ローン金利の差
不動産業者が顧客に住宅ローンを利用させる理由は、投資によるキャッシュフローを多く見せかけ、物件を販売しやすくするためだ。一般的な投資用不動産向けローンの金利は2%~3%と住宅ローンと比べると2%程度高く、不動産業者の利益が大きくのっかったワンルームマンションなどではキャッシュフローが赤字になることが多い。
ところが低金利の住宅ローンを利用することができれば、キャッシュフローをトントンか黒字にすることが可能であり、手出し無しでマンションオーナーになれるという点をメリットとしてうたって、マンションの販売を行っていた可能性が高い。
住宅ローンの審査は投資用に比べて緩い
住宅ローンは投資用不動産向けローンと比べて金利が低いだけでなく、審査も通りやすいというメリットがある。
住宅ローンでは物件自体の評価よりも、融資を行う人の属性(勤務先・給料など)が重要であり、給料から問題なく返済ができるとなれば、融資が実行されることとなる。
一方で投資用不動産向けローンとなると、物件自体の担保評価や収益評価が重要となる。一般的にマンションの1室を購入する場合には、土地としての担保評価が著しく低くなってしまい、銀行から融資を受けにくいことが多い。
住宅ローン投資はよく行われている?
住宅ローンを利用して投資用不動産を購入することは金利されているが、このようなことが実態として行われていることは、不動産投資を行っている人であれば聞いたことがあるというのが現実だ。
投資家が自ら主導して住宅ローンを不正に引き出すことは稀であると思うが、不動産業者が物件を販売するために住宅ローン利用をすすめているという話は何度も聞いたことがある。
現在問題となっているのは「住信SBIネット銀行」ではあるが、それ以外にも多くの金融機関で同様の事例があることだろう。
まとめ
住宅ローンを利用した不動産投資は、実態として行われている割合は少なくないだろう。今回発覚したのは住宅ローンを延滞している顧客の調査であり、支払いが順調でも住宅ローンを使っているケースはそれなりにありそうだ。
今後この問題がどの程度大きくなっていくか注目していきたい。
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