不動産の家賃収入は雑所得に分類され、サラリーマンが不動産投資を行うと給与所得と合算されて累進課税が適用される。そのため不動産の家賃収入の所得税は高い税率が適用されるため、給与所得次第では不動産所得に対する税率はかなり高いものとなってしまう。
ここではサラリーマンの不動産収入の税率についてみていきたいと思う。
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サラリーマンの家賃収入は累進課税
サラリーマンの所得税率は以下の通りとなっている。たとえば給与所得が900万円のサラリーマンが不動産投資を行った場合、家賃収入に対する所得税は33%が適用されることとなる。
これに加えて住民税が10%発生するため、合計の税率は43%とかなり高額なものとなってしまう。住民税は所得に関わらず一律10%であるため、給与所得によって変化するのは所得税のみである。
引用:国税庁ホームページ
給与所得が高ければ法人化を検討
給与所得が高いサラリーマンが不動産投資を行うと、税率が高すぎて手元に現金を残すことは難しくなってしまう。そのため給与所得の高いサラリーマンは個人で不動産投資を行うのではなく、法人を設立してやった方が税務上のメリットが大きい場合が多い。
法人から個人に対して給与を支払ってしまうと、累進課税で高い税率が適用されてしまうことに加えて、会社によっては副業規定に引っかかってしまうので、基本的にはやめたほうが良いだろう。
結婚していて奥さんが専業主婦の場合には、奥さんに給料を支払うことで所得税を低く抑えられるパターンもある。
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法人化を検討するレベル
法人化の検討すべき規模は、所有物件の数や家賃収入によって変わってくるため、一概に言うことはできないが、一般論としては個人での税金の合計が30%を超える場合には法人化を検討した方が良いだろう。
法人を設立するにも費用は発生し、決算書を作るための税理士費用や、必ず発生する法人住民税もあるため、一定のコストはかかってしまうため、詳細は税理士に相談した上でメリットが有るのか検討した方が良いだろう。
ただ将来的に不動産投資の規模を拡大していきたいのであれば、法人で不動産を購入していった方が、銀行融資は受けやすくなるのは間違いない。
不動産投資の節税効果
不動産投資を行うことによって節税効果があると言って営業してくる不動産業者は多いが、実際に節税のメリットが有るのは不動産取得税が発生する初年度のみであると考えておいた方が良いだろう。
2年目以降は原則として不動産所得は黒字となり税金を納めることになる。万が一2年目以降も不動産所得が赤字になるようであれば、購入を見送った方が良い物件と言えるだろう。赤字であれば確かに給与所得の所得税・住民税の還付を受けることができるが、不動産所得がマイナスなのであれば、不動産投資をやる意味はない。
まとめ
サラリーマンが不動産投資を行うと、家賃収入は累進課税の高い税率が適用されるため、給与所得が高い人は手元に全然現金が残らないということは多い。一定の給与水準の人は早期に法人化を検討した方が良いだろう。
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