東証一部上場企業である「プロパティエージェント」が住宅ローンであるフラット35を不正に利用して不動産投資を推奨、物件を販売している疑惑が発生している。住宅ローン金利は不動産投資向けローンの金利と比べて低く魅力的ではあるが、住宅ローンを活用しての不動産投資は違法であり、金融機関にばれれば一括返済を求められる可能性が高い。
ここではこの問題についてみていきたいと思う。
住宅ローン不正利用疑惑
「プロパティエージェント」が住宅ローンを不正に利用している疑惑が出たのは、不動産投資TIMESというサイトに「フルローンのうまい活用方法」という記事を掲載したため。この記事を書いたのが「プロパティエージェント」の社員であり、記事の中ではフラット35を利用したフルローンの使い方について解説されている。
記事を書いた人のプロフィールには10年間で約300件の契約実績、約75億円の取引とあり、住宅ローンを不正に利用して契約を進めていたのであれば大問題である。
「プロパティエージェント」会社概要
「プロパティエージェント」は2004年2月に設立された会社で、2015年12月に株式上場を果たしている。2018年3月の売上高は192億円で、当期純利益は7億3,200万円。2019年3月期見通しは売上高が220億円、当期純利益が8億7,000万円とたかい成長率となっている。
主な事業内容は不動産開発販売事業とプロパティマネジメント販売事業であり、ここまでの成長率を考えると不動産開発販売事業で業績を拡大してきたと考えらえれる。
マンション「クレイシア」を販売
「プロパティエージェント」は「クレイシア(CRACIA)」というブランド名でマンションの建設・販売を行っている。価格や利回り等の詳細はホームページから見ることができなかったが、立地が東京都内であることを考えると利回りは良くても5%~6%といったところだろう。
表面利回りが5%~6%だと、平均的な投資用不動産向けローンの金利である2.5%前後では月々のキャッシュフローはマイナスとなることが確実である。ただ住宅ローンで金利を1%以下に抑えることができれば、イールドギャップは4%~5%となり、キャッシュフローをプラスにすることが可能かもしれない。
住宅ローンを利用した投資は違法
住宅ローンを利用して購入することは、金融機関をだましていることとなり違法である。スルガ銀行の不正融資問題と同じであり、金融機関に投資物件であることがばれたら、一括返済を求められるか、かなり高い金利にされる可能性が極めて高い。
金融庁は不動産投資向けの融資を問題視して調査を進めており、2019年は住宅ローンを利用した不正融資が大きな問題になるかもしれない。
まとめ
東証一部上場企業である「プロパティエージェント」が住宅ローンを不正に利用している疑惑が発生している。現時点では不正を行っているかは定かではないが、掲載している記事の内容を見る限りは、不正利用をしていると判断されてもおかしくないものである。
ただあくまで個人的な見解であり確証があるものではないので、投資判断などに利用する場合は注意して頂きたい。
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