2019年1月17日の日経新聞「地銀波乱(4)不動産融資、暴走のツケ――改ざん連鎖、迫る臨界点(終)」にとある不動産業者の話が掲載された。
島田明夫氏(仮名、38歳)とあるが、明かに水戸大家さんの峯島忠昭氏のことである。ここではその詳細についてみていきたいと思う。
水戸大家さん峯島氏の記事が日経新聞に
島田明夫氏(仮名、38歳)は昨年9月、投資用アパート・マンションの販売業を廃業した。
2009年に会社をつくり、累計で1,300億円もの物件を会社員らに売ってきた。都心の一等地に月額家賃450万円のオフィスも構えた。引用: 2019年1月17日 日本経済新聞
水戸大家さんは2018年9月に廃業しており時期はぴったりである。また島田明夫氏は仮名となっているが、年齢は38歳で、1980年11月25日生まれの峯島氏と一致する。水戸大家さんのオフィスは六本木交差点のビルにあったので、都心一等地も当てはまるので、間違いないだろう。
通帳・レントロール改ざんの不正の手口
カギは買い手客への融資付だった。60人の営業員に各2~3人の客を担当させ、銀行の融資審査が通りやすいよう資料を改ざん。預金通帳の残高を増やし、潤沢な資金を持つ客に見せかけた。家賃や入居の履歴にも手を加え満室で回る物件に仕立てた。契約書の売買金額も水増しした。
引用: 2019年1月17日 日本経済新聞
水戸大家さんが客の預金残高やレントロールを改ざんして、銀行から不正に融資を引き出していた実態が記載されている。このような不正を行っていた不動産業者を三為業者と呼び、スルガ銀行の不正融資が問題になるまでは、多くの会社で行われていた手口である。
⇒【エビデンス改ざんの手口を解説】
⇒【レントロールの見方や注意点】
不正融資はスルガ銀行だけじゃない
不正な手口を使った相手は不動産融資で暴走したスルガ銀行だけではない。メガバンクのほか、北陸や東北、関東甲信越の上位地方銀行、政府系からも融資を引き出した。一人の客に10億円を貸した地銀もあった。だがスルガ銀行の不正融資問題で他行も慎重になり会社は行き詰った。
島田氏は「数千万円の自己資金を持つ会社員はそういない。改ざんしなければ融資がでなかった」と語った。不正な融資が拡散している実態が浮かんだ。
引用: 2019年1月17日 日本経済新聞
不正融資で問題となり行政処分を受けたのはスルガ銀行だけであるが、実態としては他の金融機関からも融資は引き出せていたことが語られている。スルガ銀行は行員も積極的に不正に関与し、規模が大きかったことから問題となっているが、他の金融機関にも今後波及するかもしれない。
「一人の客に10億円貸した地銀もあった」とあるが、これは「一法人一物件スキーム」と呼ばれるもので、今後問題になる可能性が高い。物件ごとに新設法人を作り、他行から融資を受けていることを隠すことによって、融資が無限に出る状態となっていた。
⇒【スルガ銀行が不動産業者から好まれる理由】
⇒【「一法人一物件スキーム」を解説】
多くの三為業者が廃業
水戸大家さん以外にも三為業者と呼ばれる不動産業者で廃業した会社は多い。同じ時期に廃業した三為業者で代表的なところとしては、WAHIKOがある。
また日経新聞の記事にも記載されているが、上場企業のTATERUも不正を行っており、問題となったことは記憶に新しいだろう。
銀行融資が引き締まったことによって、一棟アパート・マンションの販売が難しくなり、多くの業者がワンルームマンションの販売にシフトしている。ワンルームマンションであれば金額も安く、サラリーマンの属性を使って融資を受けることができている。
⇒【三為業者の詳細をわかりやすく解説】
⇒【「わひこ」廃業の理由、計画倒産の可能性】
まとめ
水戸大家さんに関する記事が日経新聞に掲載され、改めてその手口が明かになった。現在では一棟アパート・マンションでは同じ手法は使えずに、多くの不動産業者が廃業しているが、ワンルームマンション販売では同様の手口が行われているようなので、騙されないように注意してほしい。
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