不動産投資の利回りやキャッシュフローを計算する際には、物件保有期間中だけでなく、売却した際の価格、金利上昇の際のキャッシュフローの試算をしておくことが重要となる。
ここではそれぞれの計算の仕方や注意点についてみていきたいと思う。
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目次
不動産物件売却時の試算・想定について。市況が高騰・下落した際の複数のシナリオで計算。
不動産投資では、利回りが高くても物件保有中はさまざまな費用がかかり、税金負担も重くなることが多いので、想定以上に現金が増えていかないという経験をしたことがある人も多いだろう。
現金を大きく増やすチャンスは、不動産市況が高騰して、物件売却の時である。その時のためにも、売却した際の価格やキャッシュフローについては事前に想定しておいた方が良い。
不動産購入前に売却価格を正確に想定することはできないが、不動産市況が好調の時、不調の時を想定して、高く売れた場合と安くしか売れなかった場合の、複数のシナリオを想定してくと良いだろう。
投資用不動産は満室想定の利回りで物件価格が決まることが多いので、同じエリアの同じような物件の満室想定利回りは、常に把握しておいた方が良い。
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不動産物件売却時には税金負担と銀行ローン残債を考えることが重要。想像以上に手残りが少なる可能性や、自己資金を投入する可能性も。
不動産売却時にはいくらで売却すれば損を出ないのかを把握しておくことが重要となります。ここで言う損というのは、税金負担と、銀行ローン残債の両方で考えることが重要です。
不動産物件を売却した際の税金は、物件購入価格ではなく、減価償却費を控除した価格が基準となります。そのため、物件購入価格と同値で販売できても、税務上は利益が発生して税金負担が発生するので注意が必要となる。個人が5年以内に不動産物件を売却すると、短期譲渡税で約39%が課税されるので、税金も含めて計算しておかないと、想像以上に手残りが少なくなってしまう。
同時に銀行ローンの残債についても考える必要がある。残債以下の価格で売却した場合には、自己資金から補填して銀行に返済しなければならない。
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金利上昇時のキャッシュフローについて。何%までの上昇でキャッシュフローが0になるか想定。
銀行ローンの返済は、家賃収入から返済していくことになりますが、金利が上昇した際にキャッシュフローにどのように影響を与えるのか、正確に把握しておいた方が良い。自己資金が少ない投資家は、金利上昇によってキャッシュフローが無くなってしまうと、資金が回らずに破産してしまうリスクがある。
金利上昇への耐性を理解しておくことが、不動産賃貸経営では重要となる。キャッシュフローが少ない場合には、金利条件の見直しか、融資期間を考える必要がある。
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不動産投資では売却時の価格、銀行ローン残債、金利上昇のキャッシュフローへの影響を試算まとめ
不動産投資では、物件保有中の利回りやキャッシュフローだけでなく、常に出口を見据えて想定しておくことが重要となる。また保有期間中の金利上昇についても、想定して自己資金を持っていないと、最悪の場合は資金繰りが回らなくなってしまう。
不動産物件購入前に、これらの計算もしておくと良いだろう。
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