日本は地震大国であり、日本で不動産を所有するのはリスクが高いと考えている人もいることだろう。
ここでは2011年に発生した東日本大震災の例から、地震が不動産投資市場に与える影響をみていきたいと思う。
目次
東日本大震災発生後の不動産市場の状況は?一時的に取引が少なくなったり、賃貸需要の変化あり。
東日本大震災が発生した後の不動産投資市場の状況は、多くの投資家が様子見する形で買い手が付かず、一方で売り手も投げ売りをせずに夏ごろまではほとんど取引が成立しなかった。
東日本大震災では津波の影響が大きかったため、大手の不動産会社でも海に近いエリアの支店では、ほとんど取引がなかったようだ。人気であった湾岸エリアのタワーマンションでは、地震発生時にはエレベーターが使えなくなり、高層階から地上まで階段で降りるという事態が発生した。そのため、高層階に対する悪いイメージが残り、震災直後は高層階より低層階、湾岸エリアより内陸という、需要の変化が一時的に起こったりした。
東日本大震災発生後は放射線や津波を恐れる動きがあったが、東京の建物の丈夫さ・価格の安定性を再確認できた形に。
しかしながら、現在ではそのような影響はほとんど見られず、震災発生前と変わらない物件選定基準に戻っている。眺めの良い高層マンションの賃料は低層階と比較して人気が高く、家賃も高い。
震災直後は放射線の影響もあり、一時的には一部のエリアの物件を避ける動きから、安値で売り出されるケースもあった。現在では、首都圏に限って言えば放射線被害を心配して不動産物件の購入を見送る人は少なく、将来の地震に対してどのような対策を行うかに関心は移っている。
震災から数ヶ月経過後は、震災やサブプライム問題・リーマンショックが発生しても、東京の地価や賃貸市場には影響があまりなかったことから、大きな問題が発生しても価格は維持され、建物も耐震対応がしっかりされていることが確認できた形となり、外国人富裕層などの購入意欲が高まるという、プラスの要因もあった。
東京都内一棟物件の利回りは東日本大震災発生後から低下、不動産価格は高騰へ。
震災直後には東京都内の一棟物件の平均的な利回りは9%前後であったが、2017年~2017年にかけては5%~6%となり、物件価格は大きく上昇している。このように東日本大震災の影響は、発生後半年程度と短い期間にはあったが、その後の不動産市場は上昇を続けている。
現在では地震や放射線の影響を恐れるよりは、東京オリンピックやアベノミクス、外国人観光客の増加に期待する人の方が多いとは思われる。スルガ銀行の不正融資問題によって、融資環境は少し引き締まるかもしれないが、今後も底堅い値動きになるだろう。
地震が不動産投資市場に与える影響まとめ
このように東日本大震災発生後は、一時的な影響はあったものの、半年程度で正常化しており、その後の不動産価格は高騰している。東京は大きな影響がなかったことから、外国人投資家に安心感を与える状況となった。
あのような大きな地震が起こっても大きな影響はなかったので、地震を過度に心配しすぎる必要はないだろう。
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