不動産投資で銀行から融資を受けるためには、積算評価を重視していく必要があると考える人は多く、不動産価格が積算評価よりも低い物件を探したりする。積算評価は銀行が注目する指標の1つではあるが、積算評価だけに着目してしまうと、反対にその後の銀行融資が伸びない可能性もあるのである。
ここでは、積算評価を重視しすぎると銀行融資が受けられなくなる可能性について、みていきたいと思う。
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目次
積算評価よりも賃貸経営事業として成立するかが銀行融資では重要に。
多くの銀行は、以前は土地と建物の残存価値の合計である積算価値を重視して融資を行っていた時期もあり、今でもその名残から積算価値に重きを置く銀行もある。不動産投資関連の書籍でも、銀行融資を受けるためには、積算価格を重視すべきというものが多いのは事実だ。
積算評価は確かに大切な要素の1つではあるが、不動産投資は賃貸経営事業であるため、銀行は積算評価や属性に加えて、その投資が事業として成り立つかという点も判断基準となる。
不動産投資は入居者から家賃収入を得ることが基本となるため、まずは経営が成り立つのかを確認することが先となる。安定的な家賃収入が見込めなければ、いくら積算評価が高くても、銀行返済が滞るリスクが高くなり、事業として成立しないと判断されてしまう。
収益還元評価を積算評価より重視する銀行が増えている。見かけ上の利回りが高い不動産物件には要注意。
最近の銀行の融資スタンスは、積算評価から収益還元評価を重視する形になりつつある。銀行によっては積算価格が低くても、利回りが高くてキャッシュフローを安定的に生み出すのであれば、融資を行うという銀行もある。銀行によって特徴があるので、融資を依頼する際には、どういう項目を重視するのか把握しておくことが重要となる。
利回りが高い不動産物件でも、見かけ上高いという場合もあるので注意が必要だ。具体的には、近隣の駐車場を借り上げしている場合、水道料金やインターネット代がオーナー負担となっている場合など、月々の経費が多くてキャッシュフローを圧迫している場合。このような場合で確定申告上も赤字になっていれば、銀行からの評価も悪くなってしまう。
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不動産投資の銀行融資は後からリカバリーが難しいので慎重に検討した方がよい。
不動産投資戦略は、それぞれのステージによって取るべき手法が異なるため、慎重に検討する必要がある。特に銀行融資については、最初に間違ってしまうと後からリカバリーすることが困難である。
ある程度不動産物件を保有していて、利回りが高く収益還元評価が高い物件が多いのであれば、貸借対照表の信用棄損を解消するために利回りがそこまで高くないが、積算評価の高い物件を意図的に購入していくという方法もあり得る。
最初に不動産物件を購入するのであれば、できる限り収益還元評価が高い物件を買った方が良いが、それだけにはとらわれずに多面的に考えていくことが重要である。
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積算評価を重視しすぎると銀行融資が受けられなくなる可能性まとめ
銀行融資は積算評価、収益還元評価、属性などさまざまな要素から判断されるため、常にバランスを考えておく必要がある。しかしながら、初心者が今後不動産投資の規模拡大を狙っていくのであれば、初期の段階では利回りが高い物件を購入して、現金を貯めていった方が良いだろう。
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