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三為業者の詳細をわかりやすく解説。中間省略登記・二重契約・家賃改ざん(カーテンスキーム)で銀行融資を引き出す方法・スキームとは?

三為業者という言葉を聞いたことはあるだろうか?昨今の不動産投資ブームで、三為業者と呼ばれる不動産業者が法律違反を犯すような行為で多額の利益を上げてきた。しかしながら、2018年に入ってスルガ銀行のシェアハウス向け不正融資が問題となると、多くの銀行は不動産投資向けの融資を引き締め、三為業者は厳しい状況に立たされている。

ここでは三為業者についてみていきたいと思う。

⇒【中間省略登記の詳細をわかりやすく解説

三為業者とは?中間省略登記を行うことによって不動産仲介手数料以上に利益を上げるスキームとは? 

三為業者とは、第三者の為に不動産売買を行う業者のことを指す言葉である。具体的には、不動産物件を自ら購入し、中間省略登記を行うことによって、販売するのである。

通常の不動産取引であれば、不動産業者は売主と買主の売買を仲介し、売主か買主のどちらかか、その両方から不動産仲介手数料を得る。売主と買主の両方から不動産仲介手数料を得る取引を両手取引と呼ばれ、最大で約6%の手数料収入となる。

だが三為業者は不動産物件を自ら購入する。この時点では三為業者に利益は無い。ところが購入した不動産物件を売却するときに、不動産仲介手数料以上の利益を乗っけて販売することを試みる。10%~20%以上の利益を乗っけて販売することもある。

⇒【銀行融資二重契約オーバーローンについてわかりやすく解説

三為業者が行っていた方法・スキームとは?二重契約、家賃・空室のねつ造、属性書類のねつ造など。 

ただ利益を乗せすぎると、買主の融資が通りにくくなってしまうため、三為業者は以下の方法で不動産を売却する。

① 二重契約を行って銀行に対しては物件価格が高い売買契約書を提出。これによってフルローンやオーバーローンが可能となる。例えば本来1億円の不動産物件の契約書価格を1億2,000万円にねつ造して銀行に提出。銀行には自己資金10%を入れると説明して、物件価格90%の1億800万円の融資を実行させる。これで物件価格だけでなく、諸経費もカバーしたオーバーローンが可能となる。

② 家賃を高くねつ造したり、空室を隠したりして利回りが良いように見せる。通常より利益を多く乗せているため、表面利回りは悪くなってしまい、銀行の融資が通りにくくなってしまう。銀行融資が通りやすくするために、家賃を高くねつ造したり、空室があるのに無かったり見せかけて、利回りを実態より高く見せる。空室を隠す行為のことをカーテンスキームとも呼ぶ。空室に対しては三為業者が一定期間の家賃保証を行ったりもする。

③ 中間省略登記によって、三為業者の利益が大きくなるだけでなく、売買契約書の2重契約や、家賃・空室のねつ造、買主の属性書類のねつ造が可能となる。

⇒【スルガ銀行が不動産業者から好まれる理由とは

スルガ銀行シェアハウス向け不正融資の影響で不動産向け融資が引き締まり、三為業者は倒産へ。 

三為業者がよく使っていた銀行がスルガ銀行である。スルガ銀行のシェアハウス向け不正融資の影響で、スルガ銀行だけでなくほぼ全ての銀行が不動産融資を一気に引き締め、三為業者はこのスキームが使えなくなって倒産する会社が相次いでいる。

スルガ銀行の行員はこのスキームを知っていながら融資を実行していた可能性が高く、問題となっている。三為業者がこのスキームを使うことができたため、本来であれば不動産投資をすることができないような、自己資金の少ないサラリーマンや、低属性のサラリーマンが不動産投資を行うことを可能にしていた。

今後、三為業者から大きな利益を乗せられた物件を購入したサラリーマンが、返済に窮していく可能性が高そうだ。

⇒【スルガ銀行シェアハウスかぼちゃの馬車向け不正融資とは?

三為業者の詳細をわかりやすく解説まとめ 

三為業者はスルガ銀行を中心とした不動産投資に積極的な銀行と組むことによって、多くの不動産を販売し、多くの利益を得てきた。だが、不動産向け融資が引き締まったことで、三為業者の商売はストップし、多くの業者が倒産している。

今後、三為業者から高額な物件を掴まされたサラリーマン投資家が、ローン返済ができずに、大きな問題となることが予想される。

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