投資用不動産市況は2018年に入って大きく転換し、スマートデイズやゴールデンゲインなど数多くの不動産業者が倒産している。これらの不動産業者の顧客に融資をしていたのは、ほとんどがスルガ銀行であり、サブリース契約を信じて購入したサラリーマン投資家は、ローン返済が困難な状況となっている。
最近になって新たな不動産業者がサブリース契約解除に動いており、同様の問題が発生する可能性がありそうだ。ここではその不動産会社が提供したスキームについてみていきたいと思う。
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目次
フューチャークリエーションズ(Future Creations)不動産販売の手口とは?融資はスルガ銀行。
今回問題となっているのはフューチャークリエーションズという会社。2015年8月設立の比較的新しい会社で、本社は日本橋。事業内容を見ると、投資用不動産の販売やコンサルティング、不動産の売買・管理・仲介、シェアハウス運営を行っている。
フューチャークリエーションズはスマートデイズやゴールデンゲインと同様の手口で、新築アパートを高属性サラリーマンに販売。販売したアパートはフューチャークリエーションズがサブリース契約で借り上げ、不動産オーナーは安定的に家賃収入を得ることができるというスキームで投資家を安心させてきた。
融資はおなじみのスルガ銀行で、おそらく2重契約で不動産価格と想定家賃収入をねつ造し、オーバーローンを引き出していたものと思われる。不動産価格は市場を度外視した価格設定となっていて、フューチャークリエーションズの利益が乗せられているのだろう。
フューチャークリエーションズ(Future Creations)サブリース契約の賃料支払いが困難へ。
最近になってフューチャークリエーションズは不動産オーナーに対してサブリース契約の賃料が支払えなくなったと通知。これによって不動産オーナーは予定していた家賃収入が入らなくなってしまい、銀行へのローン返済が難しい状況になっている。
もともとの家賃設定に無理があり、家賃収入の赤字は新規の物件販売利益で補填するという自転車操業的なビジネスモデル。2018年に入ってスルガ銀行をはじめとして多くの銀行が不動産向け融資を引き締めたことから、フューチャークリエーションズは収入源が無くなって、サブリース賃料の支払いが困難になったと思われる。
フューチャークリエーションズ(Future Creations)から購入したサラリーマン不動産はローン返済が厳しく、物件売却もできない状況。
物件購入済みの不動産オーナーは、サブリース解除後に入居者を探しても、想定していた家賃と実態の相場家賃との差が大きすぎるため、順調に入居者を付けることができても、スルガ銀行に対するローン返済額より家賃収入が低くなる可能性は高そうだ。そうなるとサラリーマンの給与所得から補填せざるを得ない。
また不動産物件を売却しようとしても、割高な物件を買わされているので、ローン残債を支払うことができずに、身動きが取れない状況となる可能性が高そうだ。不動産向け融資が引き締まっている中では、購入できる投資家は限られており、かなりの安値で買い叩かれることとなる。
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フューチャークリエーションズ(Future Creations)サブリース契約解除でスルガ銀行へローン返済ができなくなる不動産投資家続出まとめ
またもや同じようなスルガ銀行スキームで、銀行返済が困難になるサラリーマン不動産投資家が出てきそうだ。オーナーができることとしては、まずはスルガ銀行への金利交渉や返済のリスケ交渉を行うことだろう。
これから問題が大きくなってくる可能性があるので、スマートデイズの時と同様に、被害者は団結して行動していくのが良いと思われる。
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