不動産業者経由で収益不動産を探していると、その不動産業者が売主となる物件を紹介されるケースが良くある。そのような物件は、既に特定の銀行の評価が終了しており、融資がセットになっていることが多く、初めて不動産を購入するサラリーマンによっては、やりやすいスキームとなっている。
このように不動産業者から物件を購入する場合には、中間省略という形で、所有権の移転を同時に行うことで、不動産業者にはメリットが発生する仕組みとなっています。ここでは中間省略とそのメリットについてみていきたいと思います。
目次
中間省略とは?不動産の所有権の移転を同日に行うことで、登録免許税の支払いは1回。
まず不動産業者は不動産所有者との間で売場契約を締結します。この時は売買契約のみ行い、所有権の移転は行いません。そして不動産業者は自らが売主となるか形で、不動産購入者(あなた)を探し、売買契約を締結します。
売買契約上は「不動産所有者-不動産業者」「不動産業者-不動産購入者(あなた)」と2つの契約が存在しますが、所有権の移転を同日に行うことで、登記上は不動産所有者から不動産購入者(あなた)に直接所有権が移転した形とします。
これを中間省略と呼び、通常2回登録免許税がかかることを、1回ですますことが可能となります。
⇒【サラリーマンが不動産投資で利益を上げる仕組み・方法を解説】
⇒【サラリーマンが不動産物件を探すためのおすすめの方法とは?】
中間省略を不動産業者が行うメリット。売買仲介より利益が大きく、売上高実績を作って今後の銀行融資が有利になる。
不動産業者は中間省略を行うことで、登録免許税の支払いが不要となります。1回の登録免許税は発生しますが、これは最終的な不動産購入者であるあなたが支払うため、不動産業者には影響がありません。
不動産仲介ではなくこの中間省略を行う理由は、利益を大きく乗せられるからです。仲介の場合は最大で売主である不動産所有者、買主である不動産購入者(あなた)からそれぞれ最大で3.24%(税込)、合計6.48%(税込)の仲介手数料しか得ることができません。しかしながら中間省略を使えば10%でも20%でも利益を乗せることが可能となります。
不動産業者は相場より割安な物件を見つけた場合は、まず不動産購入者と売買契約を締結し、それに十分な利益を乗せて不動産購入者(あなた)に販売することで、仲介した以上の利益を得ることが可能となります。
また中間省略を行うことで、間に入る不動産業者は物件価格全体の売上高を計上することが可能となります。仲介の場合だと、仲介手数料のみのため、両手取引であっても最大で6.48%しか計上できません。不動産業者は物件価格100%の売上高を計上することで、銀行からの会社の信用力を高めることができ、今後銀行融資を有利な条件で組める可能性が高くなります。
中間省略の不動産業者のデメリット。2年間の瑕疵担保責任。定量化できるので仲介手数料以上に利益が出れば問題なし。
中間省略のもデメリットは存在します。不動産業者は不動産購入者(あなた)に対して売主となるため、瑕疵担保責任を負う必要が出てきます。不動産業者は宅地建物取引業者であるため、期間は2年間となります。
ただ瑕疵担保責任が発生しても、結局はお金で解決できる問題となるので、仲介手数料以上に中間省略で利益を得て、瑕疵担保のリスクを定量化することができれば、大きな問題とはなりません。
⇒【サラリーマンの不動産投資の始め方とは?書籍・セミナーをどのように活用すべきか?】
【中間省略】の詳細をわかりやすく解説まとめ
以上が、不動産業者が中間省略を行う理由となります。不動産業者が売主となる物件が出てきた場合には、利益が大きく乗っていて、指値をする余地があるということを知っておけば、交渉を有利に進めることができるかもしれません。
ただ不動産業者も購入希望者が多くいる場合には、指値に応じない場合もあるので、そのあたりの見極めは必要になってきます。
<こんな記事も読まれています>
この記事へのコメントはありません。