サラリーマンの人であれば、会社に新築区分所有マンションの営業の電話がかかってきたことがある人は多いと思う。新築区分所有マンションを販売する不動産業者は、どこからか入手した電話番号リストを使って、属性が高いサラリーマンに営業を行っているのである。
ここではサラリーマンが新築区分所有マンションを購入したらどうなるのか、についてみていきたいと思う。
目次
新築区分所有マンションの営業はほとんどが電話。高属性サラリーマンがターゲットに。
新築区分所有マンションの営業は、ほとんどが電話を通して行われている。不動産業者は忙しいが、年収が高い一部上場企業の高属性のサラリーマンをターゲットに、電話をかけているのである。
そのような不動産業者は新築区分所有マンションを購入することによって「節税対策になる」「退職後の資産になる」「手がかからず忙しいサラリーマンに最適」という営業トークをしている。
少し不動産投資を勉強したことがある人なら、誰が買うのだろうというような利回りの物件が、一定の割合で販売されているというのには驚かされる。買う人がいるから、そのような不動産業者が存在しているとも言える。
新築区分所有マンションの収支やキャッシュフローは?給与所得からの持ち出しが発生。
では実際に新築区分所有マンションを購入した場合の収支やキャッシュフローはどうなるのだろうか?
ほとんどのサラリーマンは銀行からの借入を利用するだろう。家賃収入と月々のローン返済額がほとんど同じといった場合がほとんどだろう。そこから不動産会社への手数料、管理費、修繕積立金、固定資産税などを支払った場合には月々1万円程度の持ち出しが発生してもおかしくはない。
もちろんここには空室リスクは加味してないので、空室が発生すれば給与所得からローンを返済しなければならないし、退去時には原状回復費用の負担や入居者募集は広告料が発生する。
また新築であるため最初は新築プレミアムがのっていて家賃が高めに設定されているが、一度退去が発生する新築プレミアムは無くなって家賃は大きく下落する。当初は持ち出しが0~1万円程度だったものが、時間の経過とともに2万円、3万円と増えていき、生活に影響を及ぼす可能性がある。
銀行ローン完済後の区分所有マンションは資産か?キャッシュフローを生み出すか?
マイナスのキャッシュフローで30年間の返済を耐えたとしても、その時に手にできるのは競争力のない築古の区分所有マンションである。うまく入居者を付けることができれば、銀行への返済がないため、家賃収入のほとんどが収入となるが、築年数的にも間取り的にも入退去が激しい物件となり、空室率も高くなり、原状回復費用も高額になっていくだろう。
修繕積立金も建物の老朽化によって高くなるはずであり、頑張ってローンを返済したとしても、大きくキャッシュフローを生むことはないだろう。
このような結末が見えているのであれば、新築区分所有マンションを購入するサラリーマンはいないはずである。
⇒【不動産投資の種類を解説。区分所有、戸建て、アパート・マンション。】
サラリーマンが新築区分所有マンションを購入したらどうなるのかまとめ
このように新築区分所有マンション購入は、銀行ローン返済中も返済後も厳しい状況は変わらなく、おすすめはしない。販売する不動産業者もこのような結末になることをわかっていながら、それは語ることがないので、注意が必要である。
もし電話で営業がかかってきたのであれば、なぜその担当者が購入しないのか聞いてみると良いだろう。
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