2018年のスルガ銀行不正融資問題をきっかけとして、金融機関の不動産向け融資は一気に絞られはじめている。
今までは不動産市況は右肩上がりで、多くの金融機関が積極的に融資を行っていたため、どんな物件を購入してもそれよりも高値で売却するというのは比較的容易であった。
しかしながら融資引き締めによって、これからは物件を売りたくても売れない、買い手がついても残債以下の価格で手出しが出てしまうという状況が増えていくだろう。
ここでは収益不動産が売れない場合、どのように対処すればよいのかをみていきたいと思う。
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収益不動産が簡単に売れる時代は終了
収益不動産を売却する理由は色々とあるだろう。
入居率が良くなくてローンの返済が厳しくなりそうだから、築年数が古くて今後大規模修繕が必要になりそうだから、人口減少で賃貸需要が無くなっていきそうだから、などさまざまなものがある。
今まではこのような理由で売却しようとしても、サラリーマンを中心に収益不動産を購入したい人が多くいて、銀行もそれに対して積極的に融資を出していたことから、銀行ローンの残債以上で販売できることが多かった。
しかしながら、通常の不動産市況であれば、上記にあげたような理由で売却しようとしても高値で販売するのは難しい。
ここ数年が異常な状況になっていただけであって、これからは通常の状態に戻っていくことになるだろう。
これから不動産投資を行う人は、賃貸経営が難しくなって販売するとう状況にならないように、注意すべきである。
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収益不動産が売れない場合こそ満室経営を目指す
では、収益不動産を売りたいと思っているにもかかわらず、売れない場合にはどうすればよいのだろうか?
不動産は株式投資などと違って流動性が低いことから、急いで売却しようとすればするほど価格は安くなってしまう。
これを避けるためには余裕をもって販売を行っていくことが望ましい。
現在の価格で売ることが難しい状況であれば、収益不動産の入居率を上げてしっかりと家賃収入を回収していくしかない。
家賃収入から銀行ローンの返済を行うことができていれば、不動産価格はいくら下がっても破綻することはない。
銀行は担保価値が下がったからといって一括返済を求めたり、返済のペースを早めることを求めることはないので、まずは初心に立ち戻って賃貸経営でできることをやっていくべきだろう。
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収益不動産は余裕をもって準備することが重要
満室経営を行うことができれば、収益不動産の売却を急ぐ必要が無く、余裕が出てくる。
その状態に持っていうことができれば、売れても良いし売れなくても良いという状況になることだろう。
時間をかけて販売を試みれば、高値で買いたいという人が出てくるかもしれず、そのタイミングを待つのが良いだろう。
ただどうしても売却したいというのであれば、急いで動き出した方が良い。
現時点(2018年10月)でも銀行の融資が完全にストップしたわけではなく、価格は安くはなってしまうかもしれないが、販売できる可能性は残されている。
2019年にはますます状況は厳しくなってくると思われるので、それは覚悟しておいた方が良いだろう。
またいずれ相場は戻るとは思うが、それが何年後になるかはわからない。
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まとめ
銀行の融資は徐々に引き締まっており、収益不動産価格もそれにあわせて下落してきている。
どうしても売却する必要がある人は、まだ銀行融資が完全にストップしたわけではないので、急いだほうが良いだろう。
もし入居率を向上させることによって、急いで販売する必要が無くなるのであれば、それに専念しながら売却の機会をうかがった方が良い。
入居付けのところでまだまだできることはあるはずだ。
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