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スルガ銀行第三者委員会の調査報告書の要旨・まとめ。シェアハウス向け不正融資の実態とは。

2018年9月8日、外部弁護士で結成された第三者委員会はスルガ銀行不正融資問題を調査した報告書を公表した。

報告書は300ページを超える内容となっており、かなりボリュームのある内容ではあるが、シェアハウス向け不正融資のところをピックアップして紹介していきたいと思う。

⇒【「かぼちゃの馬車」問題を解説

スマートデイズとその関係会社の詳細とは 

スルガ銀行不正融資問題のきっかけとなったスマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」。

スルガ銀行のシェアハウス向け融資残高の推移は2016年3月に960億円、2017年3月に1,757億円、2018年3月に2,035億円と急速に拡大している。

この融資残高については、スマートデイズ向け以外のものも含まれているが、大半がスマートデイズ向けとなる。

まずはスマートデイズからみていこうと思う。アマテラスという会社名ははじめて聞いた名前だった。またスマートデイズが「かぼちゃの馬車」販売を直接行わなかった理由が明かになっている。

■スマートライフ(スマートデイズの前身)とその関係会社

① スマートライフ
2012年8月12日に設立された。30年間の家賃保証を宣伝文句として、かぼちゃの馬車(女性専用シェアハウス)等のシェアハウス采井を行っていた。
スルガ銀行でスマートライフの案件を主に取り扱ったのは横浜東口支店で会った。

スマートライフの取り扱うシェアハウスについて、スルガ銀行は2013ン絵4月(本格的には同年の10月)以降順次融資を行っていたが、後に後述する通り、2015年2月、スマートライフの不芳情報がスルガ銀行にもたらされ、表向きは一切の関係の禁止)以下、その趣旨で「取引禁止」または「出入禁止」という)となった(もっとも、実際には取引(直接ではないものを含む。以下同じ。)が続けられていた)。

また2015年4月16日には新代表取締役が就任し、さらに2017年8月には別会社(以下、「新スポンサー」)という)からの出資を受け、2018年1月12日からは新スポンサー出身者がスマートデイズの代表取締役に、さらに同年4月2日には別の新スポンサー出身者が代表取締役に相次いで就任した。

同社は2018年5月15日に破産手続開始決定を受けている。

スルガ銀行が把握しているスマートライフの取扱件数は981件、そのうち横浜東口支店が865件であり、次いで渋谷支店が40件、二子玉川支店が32件、大宮支店が21件、たまプラーザ支店が18件である。

② アマテラス
2015年2月にスマートライフがスルガ銀行から表向き取引禁止となったことを受けて、スマートライフの従業員が設立した会社である。

同社はスマートライフの案件を表向きアマテラスが持ち込んだように見せかけることでスルガ銀行からの融資を引き続き受けることができるようにするためのダミー会社であった。

もっとも2015年4月にアマテラスについても不芳情報がもたらされ、スルガ銀行の審査部がアマテラスも取引禁止処分としたため、事実上その役割を終えた。

③ スマートライフ案件の販売会社
スマートライフが表向きはスルガ銀行から取引禁止とされていたので、スマートライフの案件は、直接スマートライフが投資家に対して売主の立場に立つことができなかった。

売主の立場になってしまうと不動産売買契約の当事者にスマートライフの名前が出てしまうからである。

そのため、スマートライフの案件では、スマートライフと投資家の間に販売会社が介在しており、こうした販売会社が投資家に対する勧誘を行い、また投資家に対する売主の立場に立った。

スマートライフ案件を取り扱った販売会社は、全84社に上る。なお、チャネルC社がこれらの販売会社をとりまとめる立場にあった(ただし、一部ではチャネルC社自らが販売会社となることもあった)。

引用:スルガ銀行 第三者委員会 調査報告書

⇒【スマートデイズ黒幕・佐藤太治とは

スマートライフに関する告発状とは 

続いてスマートライフの告発に関してみていこうと思う。

これだけの告発があり取引は禁止されたにも関わらず、スルガ銀行の横浜東口支店はスマートライフと協力して名前を表に出さない形で融資を実行していた。

■スマートライフに関する告発

ア 2015年2月の告発

2015年2月3日、スルガ銀行のお客様相談センターは、大要下記の内容の、スマートライフ及び同社の実質オーナーに関する不芳情報(同社の内部告発文書)を受信した。

(中略)

報告を受けた岡野副社長は、同社が関与する融資を取扱中止とする旨、及び営業部門と審査部にその旨を共有するよう指示した。

ところが、当時の横浜東口支店の所属長は、土地を仕入れたスマートライフと投資家との間に別の不動産業者(販売会社)を噛ませ、当該不動産業者が持ち込んだ外形とすれば副社長の指示には反しないものと考え、スマートライフを前面に出して融資を実行することができない旨のみをスマートライフに伝えた。

この点について、当該所属長は当委員会に対し、副社長の指示を、スマートライフがスルガ咽喉の融資に直接的に関与すること(具体的には、土地を仕入れたスマートライフが、投資家となる借主に対して土地を売ること)が禁止られたものと理解したと説明し、上記のように考えたと説明している。

スマートライフ側は、これを受けて2015年2月9日に、従業員の一人を代表者としてアマテラスを設立させ、設立の事実を上記所属長及び横浜東口支店の推進役(所属長の下で、営業部門の取りまとめを行う立場であった)に2015年2月12日に通知した。

このようなダミー会社を設立することによって、スマートライフ及び横浜東口支店が、スマートライフの案件を、表向きはアマテラスが持ち込んだ案件として融資実行することが可能となった。

なお、上記所属長は、2015年2月26日に審査部に対して、「アマテラスはチャネルC社から紹介された会社」「代表はチャネルC社からシェアハウスのノウハウを学んで起業した」といった、アマテラスがスマートライフと無関係な会社であるとの説明を行っている。

このようなダミー会社の設立と並行して、上記所属長はスマートライフから2015年2月6日に「被害届取り下げ及び告訴取消書」なる書面を告発者から受領したとして麻生氏に送付し、麻生氏が審査部にこれを2015年2月10日に転送するなどして、内部告発が取り下げられたとする説明も行っている。

イ 2015年4月の告発

横浜東口支店の所属長及び推進役は、上記のようなダミー会社設立によりスマートライフとの取引を継続することに成功したものの、2015年4月12日には、上記の内部告発 を行ったのと同じ人物が、同様の告発を行った。

これに対して、スルガ銀行は、経営企画部が横浜東口支店の所属長から事情を確認したが、その時点では、上記のようにアマテラスを用いた偽装工作が開始されており、ス マートライフが表に出る取引は禁止することとしても融資の実行には影響が出ないようになっていたため、実質的オーナーとされる者個人については取引がないこと及びスルガ銀行にはスマートライフをチャネル先とする融資持込案件はないものの、同社を請負 業者とする新規案件については取扱いを中止した旨が報告された 。

なお、この動きと前後して、2015 年4月16日にはスマートライフの新社長が就任している。

ウ 2015年5月の告発

ところが、2015 年 5月8日に、スマートライフがアマテラスというダミー会社を設立 して、同社を通じて取引を行っている旨の再度の情報提供が行われた。

スルガ銀行は、前回と同様に経営企画部が横浜東口支店の所属長から事情を確認しが、その内容は、スマートライフの運営は 4月16日に就任した新社長が行なっており、 アマテラスはスマートライフと協力関係にはあるが独立した会社であるというもの(アマテラスの代表者がスマートライフの従業員であることも伏せられていた。)であり、「スマートライフ等の事業に対するモニタリングを継続しつつ、融資希望者への対応については、個別案件毎に慎重に対応したい」という融資の継続を希望するものであった。

しかし、この提供情報を重く見た審査部がアマテラスを 2015年5月13日に取扱中止 としたため、横浜東口支店によるアマテラスを用いたスマートライフ案件の融資継続への目論見は外れることになった。

エ 一連の告発を受けての横幅東口支店の対応

以上のような一連の告発により、横浜東口支店では、これ以降のスマートライフ案件について、アマテラスではない不動産会社から持ち込む外形を作出しなければならないこととなった。

そこで、横浜東口支店の所属長らは、様々な販売会社を表向きの持込業者とすることで対応することとし、スマートライフ案件の販売会社であったチャネルC社に、スマートライフの案件を様々な販売会社に振り分ける総代理店のような立場を担わせることとした。

このようにしてスキームが安定化したこともあり、これ以降、横浜東口支店における スマートライフ案件の融資は急増することとなった。

引用:スルガ銀行 第三者委員会 調査報告書

⇒【スルガ銀行融資担当は個人的に利益を享受していた?

サクトインベストメント、ゴールデンゲイン、ガヤルド向け融資の実態とは 

最後に、スマートデイズ以外のシェアハウス業者の状況についてみていこうと思う。

全ての会社がサブリース契約を履行できなくなっており、オーナーはスルガ銀行への返済に窮している状況。

■サクトインベストメント
2010年6月25日に設立された会社であり、遅くとも2014年頃からはシェアハウスの運営を行っていた。

スルガ銀行でサクトを主に取り扱ったのは二子玉川支店であった。同社は2017年2月に差押えを受けるなどして、シェアハウスの運営を行うことが不可能となった。

スルガ銀行が把握しているサクトの取扱件数は116件、そのうち二子玉川支店が106件であり、残り10件は渋谷支店である。

■ゴールデンゲイン
2015年3月26日に設立された会社であり、シェアハウスの運営を行っていた。

ゴールデンゲインを主に取り扱ったのは渋谷支店であった。同社は2018年5月22日に破産手続開始決定を受けている。

スルガ銀行が把握しているゴールデンゲインの取扱件数は128件、そのうち渋谷支店が127件である。

■ガヤルド
2013年6月11日に設立された会社であり、コンパクトアパートの運営を行っていた。

スルガ銀行においてガヤルドを主に取り扱ったのは川崎支店であった。同社は本調査報告書作成時点で事業を営んでいない。

スルガ銀行が把握しているガヤルドの取扱件数は57件、そのうち川崎支店が45件である。

引用:スルガ銀行 第三者委員会 調査報告書

⇒【ガヤルド計画倒産、建築費用持ち逃げ?

まとめ 

第三者委員会の調査報告書によって、スルガ銀行のシェアハウス向け不正融資の状況が明かになった。

告発状によって何度も取引を停止するチャンスがったにも関わらず、一部の人間が主導したことによって、不正融資が実行され続け、問題はここまで大きなものとなってしまった。

ここでは長くなるので触れなかったが、営業の実態としてはトップダウンのパワハラが横行しており、その内容は信じられないものとなっている。

スルガ銀行はここから全てを断ち切って、再建していくことができるのか注目である。

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