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【違約手付】をわかりやすく解説。売買契約不履行時の手付金の取扱いはどうなる?

「違約手付」とは、不動産の売買契約において契約の不履行が発生した場合に、手付金の没収または倍額の返還をすることを言う。

「買主」が違約した場合には支払い済みの手付金が没収され、「売主」が違約した場合には「買主」から受領した手付金を返還したうえで、同額を「違約手付」として支払う(倍返し)のが一般的。

ここでは「違約手付」についてみていきたいと思う。

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手付金が少なすぎると契約不履行のリスクが高まる理由 

「買主」の立場からすると手付金は少なくしたいという心理が働くと思うが、あまりに手付金が小額すぎると、「売主」は「違約手付」を支払って契約を不履行とする可能性が出てしまう。

一般的に手付金は売買金額の10%~20%が一般的だが、これを5%以下などにしてしまうと、そのリスクは高くなるだろう。

たとえば、1億円で売買契約を締結して、3%に相当する300万円を手付金として支払ったとする。

その後に1億1,000万円で買いたいという人が出た場合、「売主」は「違約手付」として300万円を支払ってでも高く売った方がメリットが出ることになってしまう。

これは手付金をいくらに設定しても発生する可能性は0ではないが、一般的な金額で支払っていればモラル上や今後の不動産会社との付き合いを考えると、勝手な都合での契約不履行の可能性はかなり低くなるだろう。

手付金を少なくするのは一見「買主」にメリットがあるように思われるが、双方にとって契約不履行のリスクを高めてしまう。

もし割安な不動産を購入した場合には、多めに手付金を入れることを検討しても良いだろう。

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「ローン特約」があれば手付金は戻ってくる 

売買契約で「ローン特約」を付けている場合、銀行融資が不調に終わった場合は白紙撤回することが可能で、支払い済みの手付金は返還されることとなる。

不動産投資では銀行から融資を受けるケースがほとんどであるため、どれだけ審査通過の確度が高かったとしても「ローン特約」は付けておいた方が良いだろう。

ただ「売主」の立場からすると「ローン特約」があると白紙撤回される可能性があるため、2番手以降に現金買いの人が現れた場合には、そちらを優先されることがあることは覚えておきたい。

ただ「ローン特約」無しで契約して銀行融資の審査に落ちてしまった場合には、手付金が没収されてしまうので、現金買いを優先されるリスクがあっても特約は付けておくべきだろう。

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自己資金があれば「ローン特約」無しの現金買いを検討 

不動産投資の経験も積んで自己資金が潤沢になってきたら、「ローン特約」無しの現金買いを検討しても良いだろう。

特に市場価格より大幅に割安な物件が売りに出た場合は、「ローン特約」無しで満額で買付を入れて一番手を確実にしたいところである。

「ローン特約」がないからと言って銀行融資を利用していけないという訳ではないので、最悪の場合は自己資金で買えるのであれば、不動産を購入してから融資を検討しても良いだろう。

ここのステージまでくるとかなり選択肢は広がって、割安な物件を買える確率が高くなるので、ここまで行くことを目指したい。

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まとめ 

「違約手付」についてまとめると、不動産の売買契約不履行の場合に、「買主」は手付金の没収、「売主」は手付金の倍返しを行うことを言う。

手付金を安く設定しすぎると、双方にとって契約不履行のインセンティブが高くなってしまうので注意が必要。

「ローン特約」を付けていて銀行融資が不調となった場合には、手付金は返還されるので初心者は必ず特約を付けるようにしたい。

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